すぐに「痛い」と言い出す息子…。

2012年01月31日

メンタル/教育

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「すぐに「痛い」と言い出す息子…。」です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学4年生の保護者)

試合の前日や当日の朝になると、「おなかが痛い」とか「脚が痛い」と言い出します。
医者に連れていくと異常なし。練習や試合でもコーチに訴えるので「痛がり屋」で有名です。仮病とわかっているので、つい「そんなに痛いならもうサッカーやめなさい!」と叱ってしまいます。プライドが高く言いわけばかりするのを何とか治したい!

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子どもの訴えを否定しない。
「楽しくやれているか」に着目しよう

 冷たい言い方かもしれませんが、ほっとけばよいのです。あまりに痛がるようなら、面倒かもしれませんが医者に連れていきましょう。「何も異常はありませんよ」と言われれば、本人も納得するでしょう。親が子どもと一緒に一喜一憂しないことです。

 ただし「どうしてすぐに痛くなるの?」などと言ってはいけません。「痛くてもやれ」は論外です。本人が訴えていることは否定しないこと。親御さんが「プライドが高く言い訳ばかりする」と感じているならなおさらです。例えば「心と体はつながっているからね。心が痛いと体も痛くなるのかもしれないね。チームにいて何かいやなことがあるのかな? 言ってごらん」と問いかけてみてください。痛みがどこからくるかを一緒に探ってあげましょう。

 単純に「痛いなら休みなさい」で終わらせてみてもいいでしょう。「練習はどうする? 休む? 自分で決めるといいよ。でも、練習に出ないと試合には出られなくなるよ」とその先に起こりうることを話してください。

 一方で、スポーツ障害の危険性が潜んでいることも心に留めておいてください。腰、膝、かかとなど、サッカー少年のスポーツ障害は深刻なようです。子どもの障害は痛みがあっても、すぐに消えて、また痛み出す。それを繰り返すうちに進行すると言われています。痛がるのがそういった部位なら医療機関で診察を受けるべきですが、頭やおなかの痛みを繰り返し医者でも異常なしなら、精神的なものかもしれません。

 基本的に楽しくサッカーをしている子はこのような症状は現われません。親御さんの立場としては、「楽しくサッカーをしているか」だけ気をつけていればよいと私は思います。チームやお子さんは、勝ち負けにこだわりすぎてはいませんか? 「サッカーが楽しい=うまくなる」だと私は思うのですが、日本ではまだまだ「楽しくやっているだけではうまくならない」と思っている指導者が少なくないのが現状です。家ではぜひ「楽しくやればいいんだよ」と言ってあげてください。

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