チームのエースを引きとめるには?
2012年02月21日
メンタル/教育池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「チームのエースを引きとめるには?」です。
◎試合(試合で修正したい悩み)
(質問者:小学4年生コーチ)
チームに俊足でドリブルが速く飛び抜けた子がひとりいます。みんなその子に頼りっぱなしで、試合ではその子がほとんどのゴールを決めます。親御さんは「このチームでは本人も伸びないし、このままでは他の子も伸びないから」という理由で他チームへの移籍を考えているようです。その子を卒業まで育ててみたいし、エースが抜ければ勝てなくなるのは目に見えています。なんとかチームをまとめ、エースを引きとめたいのですが……。
より高度なプレーを要求する。
プレーの幅が広がる指導を
これも日本ならではの問題です。欧州では能力の高い子は簡単にチームを変わることができますし、難しければまた元のチームに戻ることもできます。そういったことに子どもも大人もドライに対応しているようですが、日本では「戻る」ことはなかなか難しいですね。
ひとつ言えるのは、4年生くらいでは「チームを変わったら?」という助言は親やコーチにしかできないということ。それを受けて、子どもが「もっと強いところでやりたい」と言い出したら、その先に起こりうることも大人が言ってあげるとよいでしょう。例えば、以下の3つ。
①サッカーがうまくなるには「試合に出る」ことが大前提。試合に出られないとうまくなれないが、チームを変わると試合に出られなくなるかもしれない。
②試合に出ても今のように点がとれないかもしれない。
③試合に出て活躍するためにはもっとがんばらなくてはならない。
そこで子どもがどう判断するか。大人は可能性を知らせると同時に、ブレーキをかけてあげる必要もあります。
気になるのは、相談の方がその子を本当に伸ばしたいのか、チームが勝つためにその子を必要としているのか。どちらの比重が重いかは判断がつきかねますが、いずれにしても飛び抜けた力をもつ子への対応の仕方があります。
まずは、その子により高度なプレーを要求すること。フェイント、ボディコントロール、パスやシュートの精度。その子ができないことにチャレンジさせます。同時に、周りの仲間に点をとらせるプレーを要求してください。「おまえはたくさんとってるからもういいでしょ」といった言い方ではなく、「チームでもっとたくさん得点するにはどうしたらいいと思う?」と尋ねてください。
例えば、5回ドリブル突破を試みて2回失敗したとします。その2回のシュート場面を指摘し「フリーの子がいたよね。その子にパスしたら点がとれていたかもね?」などとアドバイスします。その子に考える力がつき、プレーの幅が広がっていくと思います。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 【AFC U17女子アジアカップ インドネシア2024】U-17日本女子代表メンバー発表!2024.04.15
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!2024.04.11
- 「東北トレセンU-13」が開催!2024.04.10
- 【AFC U23アジアカップ カタール2024】U-23日本代表メンバー発表!2024.04.08
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.22
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.22
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.22
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.22
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.22
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
ADVERTORIAL
ジュニアサッカー大会『2024'DREAM CUPサマー大会in河口湖』参加チーム募集中!! |
人気記事ランキング
- 自分よりも大きくて速い選手も1対1で抑える。内田篤人から学びたい守備時の姿勢【フィジカルのプレーモデル】
- 低学年と高学年の食事量の違いは?/小学校5・6年生向けの夕食レシピ例
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【西日本】
- 「俺、プロだったけど下手になってる」松井大輔が痛感。横浜FCスクール初指導に密着、子どもたちへの指導の狙いとは
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 三笘薫のドリブル・カットインの秘訣に迫る。1対1で相手を抜き去るための“沈む動き”とは【フィジカルのプレーモデル】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 「2023ナショナルトレセンU-13 関東」参加メンバー発表!
- 4ゴールのゲームは守備の練習にはならない!? 課題となるタスクから逆算し正しく制約を課す【スモールサイドゲーム】
- ジュニア年代にも大切なトップ選手の共通点は?“自重コントロール”の重要性【フィジカルのプレーモデル】