コラム

サッカーに向いていないように見える息子

2012年02月28日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「サッカーに向いていないように見える息子」です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学3年生の保護者)

息子は3年生。サッカー歴は年中からです。何か運動をと親が始めさせました。最初は嫌いでしたが、みんなとやっていくうちに少し好きになったようです。でも、練習以外は一切ボールに触りませんし、練習もしません。本人はサッカーは好きだし、やめないと言い張りますが、私から見るとこの子は、サッカーに向いていないのではと思うのです。ボールは怖がるし、疲れることは基本的に大嫌い。練習中も気づくと砂いじりや木の実拾い。コーチがすごく優しいので怒られません。でも、まわりの子たちはだいぶうまくなり置いていかれるばかり。このままとりあえずほっとけばよいのでしょうか。悩む今日この頃です。

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成長スピードは個人差があります。
親の物差しで子どもを計らないこと

 結論から言うと、相談された方ご自身がおっしゃっているようにほっとけばよいと思います。子どもはサッカーが好きだと言っているのなら、なおさらです。

 まず、成長のスピードには個人差があることを理解してください。中学年以降になると、成長スピードに個人差が現われます。実は私も遅いタイプの子どもでした。小学生時代は運動会でいつもビリ。でも、中学に進むと、足も速くなりいろいろなことができるようになりました。さまざまな場所で保護者の方にそのことを伝えると「体育大学まで出た方なのに。ウソでしょう?」と信じてもらえないのですが、本当なのです。

 次に、子どもの気持ちを尊重してください。サッカーに向いているか、向いていないかはあくまで親の意見。子ども自身が「続けたい」と言うのなら、そこを「やめなさい」と命じるのは子どもの気持ちを無視していることになります。
  「何のためにサッカーをさせていますか?」私は保護者の方によく問いかけます。プロにさせたい? サッカーで推せん入学? みなさん、「いえいえ。そんなことは望んでいません」と言います。「楽しくやってくれればいい」と言います。それなのに、「うまくならなきゃダメ」「自主練をしなければダメ」「がんばらなきゃダメ」と思いがちです。

 子どものありようを「親の物差し」で計ってはいけません。一番大事なのは、お母さんがわが子が本当に楽しんでいるかどうかを見分けられればよいのです。本人の口から「楽しい」「サッカーをしたい」という言葉が出るなら、それを信じてあげましょう。そのまま続けさせてあげればいいのです。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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