コラム

サッカー世界一の国・スペインにおける 帰化の潮流とは?

2012年06月22日

現在、ポーランドとウクライナで共催されている「UEFA EURO 2012」。ヨーロッパの強豪国が凌ぎを削る戦いで、注目度の高い国はやはり2008EURO、2010W杯を制したスペインだろう。スペイン代表といえば、スペイン人だけで構成されたメンバーというイメージが強いが、実際には移民も多く受け入れられ、二重国籍も認められているほど、開けた国である。そういったスペインの近年の帰化事情や国民性について描かれたライターの工藤拓氏のコラムをここでは紹介したい。

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外国人への門戸は開けっ放しなスペイン

スペインは近年、少子化による労働力の低下を中南米やアフリカからの移民で補ってきた。誤解を恐れず簡単に言うと、働きも子作りもしないスペイン人に代わって出稼ぎにやってきた外国人労働者達が国の経済を支えてきたわけだ。そしてそれは、どの時代も多数の大物外国人選手がリーグを盛り上げ、欧州におけるトップレベルを保つ役割を果たしてきたサッカーにも当てはまる。

それにスペインは、外国人が住むには天国のような国だ。気候は良いし、ご飯もおいしい。時間の流れは穏やかで、治安も良い。しかも元植民地の中南米出身者などに対してはビザ発給の基準がやたらと緩く、特にサッカー選手となれば数年間プレーしている間に二重国籍を取得することができる。来る者は一切拒まず。無責任なまでに扉を開けっ放しにして移民を受け入れてきたこの国では、古くはアルフレド・ディステファノ、近年ではマルコス・セナといった帰化選手が活躍してきた。

(中略)

6月19日発売の『フットボールサミット第7回』(カンゼン)


そんなスペイン人も時代の変化、情報の国際化と共に少しずつ外に目を向けはじめている。サッカー界でも世紀の境目くらいから徐々に国外でプレーする選手が増えはじめ、アーセナルのセスク・ファブレガス、リバプールのシャビ・アロンソらの成功をきっかけに国外流出の流れが一気に加速。今では三大リーグにとどまらず、ギリシャやトルコ、キプロスといったマイナーリーグで活躍する選手や指導者も出てきている。

それでもまだ他国へ帰化した選手が出てこないところに、彼らの「地元主義」とも言える性格がよく表れている。僕が知る唯一の例外は昨年ベネズエラ代表入りを選んだフェルナンド・アモレビエタ。彼は生誕から2歳までベネズエラで過ごしたため、元々ベネズエラのビザを持っていた。よって他国に移住し、言語と文化、生活に馴染んで国籍を取得した選手には当てはまらない。

いまやスペイン代表入りは世界一高きハードルとなっている。今後は他国の代表選手を目指すケースが出てくるかもしれないが、そのためにはスペイン人特有のメンタリティーを大きく変える必要があるだろう。

※『フットボールサミット第7回』P130-131より一部抜粋(文●工藤拓)
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外国人を多く受け入れる一方で「地元主義」というアイデンティティを持ち合わせているスペイン。6月19日(火)に発売した『フットボールサミット第7回』では、スペインのアイデンティティについてより深く描かれている。

 

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