コラム

岡田武史監督が認めた本田圭佑選手の実力

2012年08月24日

 8月22日(水)に『フットボールサミット第8回』(カンゼン刊)が発売された。この書籍は、サッカー界の重要テーマを各人各様に議論したものを1冊にまとめたものである。今回の議題は、「本田圭佑という哲学」。日本代表のエースとして君臨している本田圭佑選手(CSKAモスクワ)をさまざまな視点から検証している。
 今回のサッカーエンタメ最前線では、2週にわたり紹介。1回目は、南アフリカW杯時に岡田武史元日本代表監督が本田選手を起用した背景を一部ピックアップ。岡田監督は本田選手をどこで信頼し始めたのか……?

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ゴールこそが生きる残る術、この一瞬を逃さない。

8月22日発売の『フットボールサミット第8回』(カンゼン刊)

8月22日発売の『フットボールサミット第8回』(カンゼン刊)

 2010年3月3日、豊田スタジアム――。
 南アフリカW杯まであと3ヶ月と迫ったころ、岡田ジャパンはバーレーン代表を迎えてアジアカップ予選を戦っていた。
 1ヶ月前の東アジア選手権で韓国に惨敗を喫し、世間からも厳しい視線を向けられていた時期である。アラー・フバイルら主力数人を欠くバーレーンを相手に、前半の1点だけで終わってしまえば再びブーイングを浴びせられてもおかしくはなかった。
 この日、岡田武史監督から念願のトップ下で起用された本田圭佑が、このスタンドの微妙な空気を感じ取っていたか、いなかったかは分からない。ただずっとゴールへの飢えを漂わせ、一瞬の隙を見逃すまいとしていた。ゴールは生き残るための術なのだと欧州の地で学んだ男に、1-0で終わるつもりなどサラサラなかった。
 後半もロスタイムを過ぎていた。
 内田篤人からの右クロスに森本貴幸がニアで相手ディフェンダーを引き寄せて潰れると、中央で待っていたのは本田だった。ヘッドで飛び込んで奪ったチーム待望の2点目。一度、決定機でヘディングシュートを外していただけに、ゴールを決められなければ批判の的にもなったかもしれない。スタンドからは希望を強調するように「本田コール」が巻き起こった。
 試合後、報道陣に囲まれた彼は安堵するように口もとを少し緩めた。
「ラスト5分、時計をチラチラ見ながらヤバイな、とは思っていたんです。でも以前に何度かロスタイムにゴールを取ったことがあったので諦めないでおこうと思ったら、ああいうふうにモリ(森本)が潰れてくれて。おいしいボールが来るもんですね(笑)」
 しかし本人以上にゴールを喜んでいた男がいた。誰あろう、岡田武史であった。
「本田のプレースタイルがかなり変わっていて、びっくりしました。シンプルにプレーして動いて、ディフェンスもすると。体もかなりキレている状態だったので、今日は今までになく良かったと思っています。本田が点を取ってくれたことは、我々にとっても非常に大きかった。なぜなら彼に期待しているところは得点力。彼が点を取ったということは、ほかの誰が取るよりも我々にとってはうれしいことだと思っています」
 会見の席で岡田が本田に対してここまで〝べた褒め〟するとは正直、思ってもみなかった。というのも、指揮官はこれまで本田を継続的に招集しながらも、先発で固定してきたわけではなかったからだ。
 そうだ、このプレーなんだよ――。
 岡田は会見を通して、本田にメッセージを送っているようでもあった。
 このバーレーン戦以降、岡田はW杯本大会が終わるまでのすべての試合で本田を先発させ、そしてW杯の直前になってチームの中心に据えていくことになる――。

※『フットボールサミット第8回』P67-69より一部抜粋(文●二宮寿朗)
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本田選手は、南アフリカW杯予選では、ほとんど試合に出ていなかった。だが、岡田監督が本田選手をチームの中心に据えたことにより本大会での日本代表の躍進があったのは間違いない。岡田監督が本田選手を起用するまでの葛藤が、『フットボールサミット第8回』(カンゼン刊)で、一部始終描かれている。

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