コラム

勉強そっちのけの息子にサッカー続けさせていい?

2012年12月11日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは勉強そっちのけでサッカーに没頭する息子さんのご相談です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学5年生の保護者)

 うちの子はサッカーばかりやってて勉強しません。「サッカーやりたいなら、勉強しろ!」って言うのはダメですか? 本人はサッカーが大好きで、サッカー選手になりたいと口では言うものの、客観的に見てもかなり厳しいと思っています。勉強そっちのけでサッカーをしていることが気になります。勉強もままならないのに、サッカーをやらせていいものか、非常に不安です。大好きなこと(サッカー)と勉強のバランスを保つには、どうしたらいいですか? またそのやる気スイッチはどこにあるのか教えてください。

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サッカーを題材に勉強する重要性を伝えて
やる気スイッチは子どもが自分で入れるもの

 お子さんはサッカーが大好きなようです。もし、サッカーを材料にして勉強することの重要性を伝えようとするなら、まずはこんなことを話してみてはいかがでしょうか。

 「サッカーにはルールがあるよね。ほかのスポーツにもみんなルールがあるように、社会や学校にもルールがあるでしょ? なぜそうなっていると思う?」

 一度問いかけた後、話してみます。「サッカーでお互いが体をぶつけたり、相手の足を蹴ったりするとか、お互い好きなようにやっていたら楽しくないよね? 卑怯なやつが勝ったらいやだよね? そうならないためにルールがあるんじゃないかな? 学校や社会のルールも同じじゃないかな。そうすると、小学生のルールはなんだろうね? 勉強が第一だよね? 小学生の君が一番優先してやるべきことは勉強だよ。サッカーだけして勉強しません、っていうのはルール違反なんだよ」

 社会の仕組みも併せて、そんなふうに説明してはいかがでしょうか。その次に、具体的な生活時間の計画を自分でさせてください。サッカーの時間、勉強の時間を自分で決めさせるのです。

 その次は、勉強の内容です。やっているけど、なかなか勉強がわからない、成績が上がらない。様子を見てそんな状況が見られたら、「本当に勉強しているの?」とか「勉強時間が足りない」「本気でやっているの?」などと子どもを責めずに、どこでつまずいているのかを一緒にみてあげてください。内容がわからないものに取り組むことほど、辛いものはありません。そこはサポートが必要です。

 ただ、そこのサポートを塾に求めてしまうと、塾でしか勉強しない子になりがちですね。なかなか学習に取り組めない子には「どうしてしないのかな?」と理由を尋ねてあげてください。「もしかしたら、ついていけてない?」とやさしく問いかけましょう。ここは親御さんも、サッカーの応援と同じくらいのエネルギーを傾けてあげてください。そうすれば、少しずつ状況は変わってくるはずです。

 そして、冷静に周囲を見回してください。自分で勉強する子は、親から「勉強しろ!」と言われてやってはいません。逆に言えば親から言われたからやりました、という子はほぼ皆無でしょう。どこかで達成感や自信、もしくは「やらなきゃ」と不安を感じて机に向かい始めます。やる気スイッチは子どもが自分自身で入れるものです。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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