【バーモントカップ第22回全日本少年フットサル大会】決勝戦レポート

2013年01月06日

前回大会の雪辱を果たし、鹿島アントラーズジュニアが初優勝を飾る!!   

 1月6日(日)、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館にて「バーモントカップ第22回全日本少年フットサル大会全国決勝大会」の決勝があり、茨城県代表・鹿島アントラーズジュニア(以下、鹿島)が宮城県代表・ベガルタ仙台ジュニア(以下、仙台)を2-1で破り、初優勝を飾った。

 試合前から鹿島の応援が体育館に響き渡っていた。声の主は鹿島アントラーズジュニアユース。前回大会の準決勝で仙台と対戦し、3-3と互角の戦いを繰り広げたものの、PK戦で11人目のキッカーまでもつれ込んだ末に惜しくも敗れた当時のメンバーたちが、弟分であるジュニアチームの応援に茨城から駆けつけていた。「あのときは、全国3位という結果に満足感はありましたが、やっぱり悔しかった。だから今年のチームには僕たちの分までがんばって1位になってほしいという気持ちがあります」と第21回大会のベストプレーヤーに選ばれた山本瑞樹くんは1年前を振り返る。

 鹿島は、トップチームから下部組織まで、クラブに関わるすべての人々がファミリーという意識を持っている。選手だけでは試合に勝つことはできない。指導者や応援団も一体となり、試合に臨むことが勝利という結果につながるというのが、鹿島の伝統的な考え方なのだという。

 午後2時、頼もしい援軍を得た鹿島の大一番がはじまった。鹿島は自陣の後方からディフェンシブにポジションをとる2人の選手が左右でパス交換をしながら、前線にボールを入れるチャンスを狙う。これに対し、仙台が激しいチェイシングを浴びせ、鹿島のトラップやボールコントロールのわずかな隙をついてボールを奪い取り、シュートにまで持っていく。「ボールを持っている相手に対してチャレンジするときは、ボールを奪うことが第一の目的になります。ただ寄せていくだけではダメです」と仙台・壱岐友輔監督は選手たちにボールを奪うことを徹底するように心がけさせている。その練習での成果が、決勝の舞台で鹿島を追い込んでいた。

 序盤からミスが許されない厳しい時間帯の続いた鹿島。だが、キャプテンでありゴレイロの1番・常世田大輝くんが、体を張った飛び出しのよいプレーを見せ、仙台にゴールを割らすことはなかった。そして、前半も中程に差しかかり5分が経過したころ、鹿島の反撃が始まった。ゴレイロの常世田くんのフィードを起点に、右サイドを経由したボールを受けた9番・有馬幸太郎くんがゴールネットを揺らした。「決勝戦で得点を決めることができて、すごく嬉しかった。緊張していたけれど『絶対に勝つんだ!』という思いでいっぱいでした」と有馬くんの強い気持ちのこもった一撃だった。

 しかし、喜びもつかの間のこと、前半7分になって、後方からのロングボールに反応した仙台の8番・坂本琉維くんにバックヘッドを決められ、試合を振り出しに戻されてしまう。さらに後半になっても、前線でのチェイシング、ドリブルでの仕掛け、あるいはピヴォにボールを集めて一気に攻め込むといった仙台の多彩な攻撃が鹿島を苦しめた。

 なんとか守りきった鹿島だったが、攻撃の決め手がないまま時間が過ぎていった。仙台の守備が堅いこともあるが、やはり、今大会で準決勝までの6試合に14得点を挙げている11番・網中神くんを、累積警告の出場停止で欠いているのが響いているのだろうか、そんな思いが頭をかすめたときだった。鹿島のチャンスは突然やってきた。

 仙台のゴレイロが4秒以内にボールをリリースしなかったため、間接フリーキックを得たのだ。「右上があいていたので狙いました」と鹿島の13番・金原朝陽くんの左足から放たれたボールは、壁となり立ち塞がる仙台のプレーヤーを尻目にゴールマウスへと吸い込まれていった。「網中くんの分までという気持ちで、得点に絡めるように意識していました」と思いを語る金原くんこそ、網中くんの出場停止を受けてピヴォに抜擢された選手だったのだ。監督をはじめチーム全員の期待を背負った金原君のひと蹴りによって、後半4分、鹿島が勝ち越しに成功した。

 やがて、残り時間も少なくなると、仙台はベンチ入りの全選手に出場機会を与え、総力戦で巻き返しを図るが、焦りからなのか、それとも疲労からなのか、ボールが足もとに収まらなくなり、タッチを割る回数が増えていく。そして、タイムアップ。鹿島が2-1で仙台を下し、茨城県勢としては、第15回大会でのmalva mito fc以来であり、鹿島としては初となるバーモントカップでの全国制覇を達成した。

 「確かに、チームで一番点を取っていた網中の出場停止は痛かったですが、出場した選手、ベンチを含めて、全員がそれぞれの役割をこなしてくれた結果として優勝できたのだと思います。みんなで勝ち取った勝利です!」と鹿島・小谷野稔弘監督は試合後に選手たちを称えた。

 鹿島の6年生たちは、1月いっぱいでこのチームでの活動を終えると、休む間もなくジュニアユースへとステップアップする。いくら結束力の強い鹿島とはいえ、甘えの許されない厳しい競争の世界が彼らを待ち受けていることだろう。日本一となった後輩たちを「今年のチームは僕らよりも気持ちの強いチームだった思う」とスタンドから誇らしげに見つめながらも「ジュニアユースでは絶対に負けないです!」と言ったその先輩の表情は自信に満ち溢れていた。

■鹿島アントラーズジュニア 小谷野稔弘監督のコメント
  全日本少年サッカー大会のときもそうですけれど、夏までは苦しい展開になったり、追いつかれて逆転されたりすると、それから試合をひっくり返して勝つことができませんでした。でも、フットサルをやり始めてから、どんなに苦しくても最後に点を取って勝てる精神的な強さが出てきました。あと、最近、(ほかの大会でも)好成績を残している要因としては、今日もスタンドから応援してくれているジュニアユースのチームと一緒に練習をしていることが大きいんです。カテゴリーに関係なく、一緒に取り組んだ結果として力をつけてきました。それもジュニアユースの協力があるからこそなんです。感謝しています。

■ベガルタ仙台ジュニア 壱岐友輔監督のコメント
  今大会は、予選リーグの初戦に3-6で負けてしまいました。しかし、その敗戦が、結果的に子どもたちの気を引き締めてくれました。決勝トーナメントへ進出するのに、負けることの許されない状況での試合が続いて、それを乗り越えた結果として、決勝の舞台までたどり着けたということで、1試合終えるごとに子どもたちに勝負強さがついてきたのを感じることができました。決勝では勝つことができませんでしたが、東北地方のチームが2年連続してファイナリストとなったことは、今までなかったことだと思うので、東北のチームに希望や勇気を与えられたのではないでしょうか。

(文●山本浩之)
(写真●佐藤博之)

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