親の意見を素直に聞かない

2013年02月12日

コラム

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回はサッカーではなく野球少年のお悩みについて投稿がありましたので、紹介いたします。

◎練習(トレーニング場面での悩みやギモン)

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(質問者:小学4年生の保護者)

「逃避脳」になってしまった、もしくはその疑いがある場合の対処法についてご指導いただけませんでしょうか。
小学4年の長男は野球をしており、ずっとレギュラーで頑張ってきましたが、外されてしまいました。レギュラーかどうかは本人の問題なので、本人が悔しければこれを機に頑張って取り返せばいいと思うのですが、コーチの指導や親の話に対しても上の空で改善するようには思えません。野球に興味がなくなったのかとも思いましたが、そうではないようです。親としては、もう一度レギュラーを勝ち取り、自信を取り戻してほしいと思いますし、そのためのアドバイスをしてあげたいのですが、人に教えられると自分のやっていることが否定されていると感じるのでしょうか、とたんに気分を害し集中して話を聞かなくなります。勉強などに対しても同様に、教えてあげようとすると気分を害して、その後は素直に取り組めません。
そう感じるようになって以来、日常の生活においても叱らないように接しようとしていますが、何を話しても(特に自分の都合の悪い話については)素直に聞こうともしないため、意見を伝えることや指導ができずにいます。この状態が続くと間違っていることは改善されず、ますます状態が悪くなってしまいます。野球選手として上達してほしいとも思いますが、目先の上達ではなく長い目で大きく上達するためには(さらに、人としての成長するためには)、「逃避脳」からの脱却は避けては通れない問題だと感じています。
親としての堪え性が足りないだけなのかも知れませんが、素直に話が聞けるような(話のキャッチボールができるような)関係にするための取り組み方などございましたら、御指南願います。

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まずは子どもの気持ちを聞くこと。
一方通行でなく、双方向の会話を心がけて

 逃避脳になったかどうかはともかくとして、ご相談の文章の印象では、どうも会話が一方通行のようですね。そもそもどんな関係であっても、会話やコミュニケーションは双方向であるべきです。

 レギュラーを外されたあと、お子さんの気持ちを尋ねましたか?「コーチの指導や親の話に対しても上の空で改善するようには思えません」とありますが、それはあくまで親御さんの印象です。レギュラーを外された本人が、そのことをどうとらえて、どう、向き合おうとしているのか、もしくはまだ向き合うことができずにいるのか。その部分をきちんと聞いてあげることが肝心です。そこで初めて会話のキャッチボールが始まるのだと思います。

 子どもは学年が上がっていくにつれて、「もう、いいよ!」と親との話し合いから逃げてしまうことが少なくありません。「真剣に話し合いたいから、気持ちを聞かせてくれる?」と大人から歩み寄ってあげてください。「監督に我慢できない」とか「野球は好きだからこれからも続けたい」などといった本音が出てくるはず。なかなか口を開かなければ、話し出すのを静かに待つことです。

 加えて、話をするときは、「これから頑張るんだよね?」などといった答えありきの問いかけではなく、子どもの本当の気持ち、答えを引き出すような問いかけをしてあげてください。

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