ジュニサカ賢人・池上正さんに聞く 私が「怒鳴らないコーチ」を推奨する4つの理由

2013年03月11日

コラム

怒鳴らないコーチングを行うために
大切な5つのポイント

では、実際に怒鳴らずにコーチングを行うためにはどうすればいいのでしょうか。具体的に、以下の五つのことに気をつけてください。

①コーチの思い通りにならないことが起きたら、指摘するだけではなく、そのことに気づいているか子どもに問いかけてみましょう。

例えば、守備の際にボールを全く見ていないとします。何度も「ボールを見ろ」と言っても見ない。そんなとき「何回言ったらわかるんだ!」と怒鳴ってしまいますね。けれども、そこで「何回も失敗しているけど、自分で気づいてるかな?」と問いかけてみてください。

②すぐに答えを渡さない。自分で考えさせましょう。

例えば、パスだったのか、シュートのほうがよかったのか。サッカーは自己判断の連続です。答えを渡す習慣があると、「そこはパスだろ!」と怒鳴りたくなります。1も同じですが、「○○はどう?」と問いかけ文にすると、答えを待つ受け身の態勢となるため、不思議と冷静になれます。

③一方的でなく、対話をして
フラットな関係を築くこと。

子どもにも人権があります。過度に大人扱いする必要はありませんが、上から目線の態度はやめましょう。選手と対話する習慣をつけておくと、子どもの話も聴かなくてはならないのでまず感情的にはなりません。同時に、子ども側も自分の主張を言葉にするトレーニングを積むことでコーチング能力が向上します。

④大人側も「考える」癖をつける。

指導者講習会などで、よく「池上さんのように我慢できない。すぐに怒ってしまう」と受講した指導者の方に言われます。でも、私は何も我慢していません。どう問いかけたらいいのか、どうもっていったら子どもが成長するのかを常に考えながら指導しているので脳内はフル回転。考えを巡らせていれば、感情的にはならないのです。

⑤ピッチに入ったらニコニコ笑ってみる。

「日本人のコーチはどうしていつもあんなに怖い顔で立っているの?」欧州に行くと、地元のコーチからよく質問されます。ふざけるのと楽しむのは異なりますが、子どもが委縮せずに自分を主張できる空気感をつくることを心がけてください。

最後に、よくあるコーチの悩みをご紹介しましょう。同じチーム内に「怒鳴る派」と「怒鳴らない派」がいる場合、両者ともに互いに違和感を抱いたまま悶々としていることが少なくないようです。

ここは、サッカー指導にもある「オープンマインド」になってください。怒鳴っているコーチは「なぜ何も言わないのか?」と疑問に感じていますし、怒鳴らないコーチは「どうして怒鳴るんだろう?」と思っています。であれば、ぜひ両者で話し合ってみてください。私もいろいろな人と語り合ってきました。そこから自分たちのチームの理想の指導法が生まれるはずです。

(『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.26』より)

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