真の個の育成につながるヒントはここにあり!! ボトムアップ理論で選手の自立を図る

2013年06月01日

コラム

ボトムアップ理論をジュニア年代にどう実践していくのか

――ボトムアップ理論を実際に導入するとなると難しいと思います。どこまで指導し、どこから選手に任せるのかの線引きが重要だと思いますが、久保田さんなりの考えや経験則を教えて下さい。

久保田 ボトムアップ理論や畑先生の指導で注目されているのは、選手がスタメンを決め、交代も選手が決めるところだと思います。しかし、それは最後の部分であって、日常の練習から習慣化されていないと意味がありません。私が接しているのは小学生ですが、日常の練習から選手が主体的に考えることを重視しています。だから、「サッカーを教わりに来ている」のではなく、「サッカーをプレーしに来ている」という意識、雰囲気づくりを心がけています。指導者が「自分は指導者なんだ」と考えると、選手たちに影響を与えたくなります。もちろん、必要なことは言いますが、あまりにも存在感を大きくし過ぎても、選手がこちらを見るようになってしまいます。さらに難しいのが、選手にすべてを任せると言って「これがチームのやり方だから」と放り出してしまっても放任主義的な一方通行になります。そのせめぎ合いは、正直難しいですね。

――普段の練習はどのように行っているのですか?

久保田 練習のスタートから選手が自主的にゲームをやります。やはり、選手は練習よりもゲームをやりたいと思っていますから。最初の集合も挨拶もせず、雰囲気が良ければそのまま1時間半の練習を終えることもあります。よく選手に言うのは、「こっちが『これ以上の練習はない』と思うようなゲームをしてくれ」ということです。ゲームが少し緩くなるときも当然あって、その時は一度ゲームを止めて出た課題に対する練習に入ります。そこで練習はしますが、それを踏まえた上でのゲーム設定はまた選手に任せます。

――となると、指導者として練習メニューは用意して練習に臨まないのですか?

久保田 全く作りません。選手にアドリブを求めているのに、指導者が台本どおりの練習しかできないのでは意味がありませんから。

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