コラム

世界のHONDAはココが違う!本田イズムを継承するサッカースクール

2013年06月05日

ブラジルW杯出場を導いた日本代表の本田圭佑選手。昨年6月には本田圭佑選手プロデュースのサッカースクールが誕生。本田圭佑選手が未来ある子どもたちに伝えたいことが何なのか迫った。

文●小田尚史 写真●フットボールチャンネル編集部(工藤明日香)

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.27冬号』P38-42より転載

 


2010年南アフリカW杯で2得点を挙げてベスト16進出に貢献。2011年のアジアカップではチームを優勝に導きMVPにも輝くなど、今や日本代表の核として君臨している本田圭佑。クラブでも、2008年に名古屋グランパスからオランダのvVVVフェンロへ移籍。一度は2部落ちを経験するも、そこで16得点13アシストを記録。1部昇格の原動力となり、年間MVPも獲得した。その後はCSKAモスクワへ移籍し、欧州CLなど活躍の場を世界に広げている。
なぜ、本田は世界で活躍することができるのだろうか。
その答えを探すべく、昨年6月に本田圭佑プロデュースのもとで大阪に開校したサッカースクールの責任者であり、本田のマネージャーも務める榎森亮太氏のもとに向かった。
スクールの中身については、「本田プロデュースと銘打っているものの、直接本田が指導するわけでないですが」(榎森氏)と前置きしつつも、話を進めていく中で、スクールの至るところに本田イズムが散りばめられていることが分かった。

 

自ら道を切り開く本田の生き方を踏襲

──対象は幼稚園から小学生ということですが、スクールのコンセプトは?

今の世の中、「夢って何?」という子どもが増えているような気がします。何かを目指すより、何となく生きている、というような。抽象的ですが、何か夢を持って生きてほしい、というのが、スクールの大きなコンセプトです。練習だけでなく私生活も含めて、何かやりたいことを自分で決めることは、夢を持つためのヒントです。

誰かに言われるのではなく、自分で好きなことを選ぶ。練習においても、こちらから「○○しなさい」と決めつけることはもったいないと感じます。例えば、「そこでワンツーしなさい」と言いたくなる場面でも言わない。言うことで、子どもの可能性を消してしまうかもしれない。極力、決めごとはしないというのも、私たちのスクールのコンセプトです。

──自主性を大事にする、ということですね。

“強制ではない”という部分は、スクールを立ち上げた原点です。自分で道を切り開くことは本田の生き方でもあります。自分で決めて生きていくことは大事。例えば、プロサッカー選手になったとしても、現役はいつまでできるのか?

Jリーガーの平均寿命は25~26歳なので、その後の何十年残っている人生をどうするのかという話。だから、ウチでは、サッカーがうまければいい、という教え方はしません。サッカーで上のレベルに行けば人間として成熟することは確かですけど、サッカーがうまいだけで天狗にはさせない。僕たちはサッカーと一緒に生き、学んできたのでサッカーを教えていますが、将来的に、子どもたちがサッカー以外で成功しても僕たちは嬉しいんです。

──「ボールを蹴りたい」という子どもから、「将来はプロになりたい」という子どもまで、目的意識はさまざまだと思いますが、教える上で難しさはないですか?

確かにさまざまなお子さんはいますけど、難しさを感じたことはありません。終着駅は一緒です。みんな、サッカーに興味があるわけじゃないですか。そこに関しての難しさはないですね。ただ、全員が本田圭佑になれるわけではない。だから、親御さんに対しても、『ウチに来れば本田圭佑になれますよ』という言い方はしません。本田圭佑はあくまでプロデュースする人です。

“本田圭佑サッカースクール”と大々的に言ってしまえば、確かにやりやすいかもしれません。でも、本田も現役でなくなるときは来る。もちろん、本田の影響力がなくなるとは微塵も思っていないですけど、本田の名前に左右されてもいけない、そう考えています。このスクールは一時的なモノでやっているわけではないので。ゆくゆくは、“本田圭佑”を“SOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOL”が飛び越えていかないといけません。「そう言えば、本田って人が始めたサッカースクールらしいね」と言われるくらいの……。それは本田の意向でもあります。

──“本田圭佑”という名前を全面に出すやり方はしない?

本田には、縁の下の力持ちをやってもらっています。まずは、コーチに哲学を注入する作業です。一番大事な哲学がブレてはいけませんからね。本田とは、スクールについて毎晩会話をしますし、そこでの会話を自分がコーチたちに落とし込んでいく。子どもたちにとっては、たまに来る本田より、毎日いるコーチの方が大事。本田に憧れて来てくれるのは嬉しいですけど、身近で教えるのはコーチです。コーチたちに本田の哲学を注入して、子どもたちにも影響を与えていきます。

コーチに関しては、もともと指導経験豊富な人もいれば、経験は浅くても熱意がある人もいる。自分が進んだ道を運命と感じ、仕事に夢と情熱を持って取り組んでいる人ばかりです。

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