コラム

子どもがサッカーを楽しむための夏トレ対策ガイド

2013年07月14日

夏はサッカーに集中するだけの時間はありますが、同時に熱中症や脱水症状などの危険性も出てくるシーズンです。今回は夏のトレーニングで注意しておきたいことを紹介します。

文●岩本勝暁 写真●編集部 イラスト●舌霧スズメ

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.25夏号』P114-117より転載

 


 

“練習ではこまめな水分補給を心がける!

夏場のトレーニングにおける水分摂取は、熱中症の予防はもちろん、パフォーマンスの低下を防ぐ上でもとても重要です。指導者や保護者は、子どもたちに適切に水を飲ませる方法を工夫し、条件を与えてあげなければいけません。

以前、こんな調査をしたことがあります。「ここにあるものを、自由に飲んでください」と言って、トレーニングの合間にスポーツドリンクと水を用意しました。そこで飲んだ量を調べると、ジュニア年代の子どもは中高校生よりもたくさん飲むことがわかったのです。

本来であれば行きすぎない適度な量というのがあります。しかし、ジュニア年代の子どもたちは、がばがばと一気に飲んでしまう。

中学生や高校生ならば、トレーニングの合間に自分で判断して飲みますが、1回に飲む量は少ない。逆にジュニア年代は、「飲んでいいよ」と言わなければ飲まないし、休憩の時間をとりすぎると飲みすぎてしまう傾向があります。

また、ジュニア年代はトレーニングに夢中になりすぎて、のどが渇いていることに気づかなかったり、へんにやせ我慢をすることがあります。指導者や保護者が「熱中症になるから水を飲んだほうがいいよ」と言っても、なかなか自分で水を飲むタイミングを判断してトレーニングすることができません。そうして、トレーニングが終わってからのどの渇きに気づいて、一気に大量の水分を摂取するのでしょう。

それでその日のトレーニングが終わればいいのですが、中には午後から練習があったり、夏になれば3試合くらいすることもあります。そうすると、すぐに試合があるのに水を飲みすぎて、おなかがタプタプになって気持ちが悪くなってしまいます。

夏場のトレーニングにおける水分摂取の状況について、こういうデータがあります(図1)。両チームとも水分を摂取する時間は効果的にとっているのですが、ここで気をつけてほしいのが水を飲むタイミングです。調査した日の気温はともに約30度。

図1

Aチームは2時間半の技術練習の間に、前後を除くと2回の水分摂取を行っています。タイミングは30分、1時間、1時間の間隔です。

一方でBチームは1時間半の技術練習の間で同じく2回。間隔はAチームよりも短くて約30分です。ゲーム中は両チームとも10~15分毎に水分を摂取していました。

この結果、1回に飲む水の量はBチームのほうが少ないのですが、トータルでは摂取量が多く、体重の減少率もほぼ0パーセントに抑えられています。また、運動中の心拍数も低く抑えられました。一方のAチームは、Bチームよりも水を摂取するまでの間隔が長いため1回に飲む水の量が多く、体重の減少率も0.6パーセントという数字が出ました。

ジュニア年代は、こまめに少しずつ水分をとることが大切です。タイミングは少なくとも約15分ごと、1回に飲む水の量は200~300ミリリットルでコップ1杯を目安にしてください。

よく、「のどが渇く前に飲む」と言われますが、それだけではなかなか水分摂取の大切さを理解することができません。水分摂取の影響を具体的に把握し、また習慣づけるためにも、練習の前後に体重をはかることをオススメします。

たとえば、練習の前に服を着たまま、裸足になって体重をはかる。練習が終わったら、同じようにシューズだけ脱いで体重をはかります。もし体重の減少率が2パーセント以上だったら要注意。体重が30キロの子どもであれば、0.6キロですね。意外と少ないように感じるかもしれませんが、これだけ体重が減るだけで、体温や心拍数が増加してパフォーマンスが低下します。指導者や保護者は「明日の練習ではもっと飲むようにしよう」と注意を促してください。

また、人間は体重が2パーセント減少すると、のどの渇きを感じるといわれています。つまり、のどが渇いたときには、すでにパフォーマンスが落ちている証拠。そうなる前に水を飲むことを心がけましょう。

パフォーマンスの低下については、脱水によって体重が2パーセント減少すると、5~25パーセントの運動能力が低下するといわれています。運動能力が低下すれば、当然のことながら試合中の大事な場面で一瞬の判断が遅れたり集中力を欠くこともあります。

大人の45分ハーフでシミュレーションした場合ですが、15分ごとに水を飲んだグループと、試合前とハーフタイムしか水を飲まなかったグループを比較したデータがあります。その際、30メートルのスプリント走で0.1秒、ジャンプの高さで1センチの差が出ました。

わずかな差のように感じますが、実際の試合ではゴールが決まるか決まらないかの大きな差になることが想像できるのではないでしょうか。

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