コラム

池上コーチの一語一得「月4~5万かかる強豪クラブに誘われています」

2013年07月23日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回はサッカークラブの選択に迷う親御さんからのご相談です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学4年生の保護者)

小学4年生の息子がいます。小学1年からJクラブのスクールに通っているのですがスクールなので試合がありません。「試合がやりたい」と言うのでチームを探しました。すると、たまたま強豪といわれるチームが近くにあり、練習と試合にこの4ヶ月ぐらいスクールのお友達と参加させてもらうことができました。で、最近になってそこのコーチから4年生が少ないので是非入会して下さいと誘われています。そこは強豪と言われるだけあって雰囲気もピリッとしており、毎週末に試合がくまれ5、6年になると遠征も毎週あると聞いています。
遠征費も1回で1万円ぐらい(今は近場で1日千円、少し離れたところで2日で6000円ぐらい)かかるらしく、月にすると会費も含めて4~5万円ぐらいかかるらしいです。息子はそんなに上手な方ではないので試合では前半か後半のどちらかに参加させてもらうのですが、練習も試合も楽しんで通っています。親としては5・6年生でお金も時間もかかるのは方針として違うので、近くのもう一つのチームに体験にいかせました。
そのチームはまったく強くないのですがわきあいあいとした雰囲気で4~6年生が一緒に練習しており(そのチームの中では上手なほうらしいです…)何人かは上手な子もいるのでそっちも楽しいと悩んでおります。そっちのチームは月に1回か2回程度の試合があるらしく遠征もないので費用的にも問題ないです。ただ、友達の一人は強豪のほうへ入ると聞いているので悩んでおります。
親としての方針(文武両道)は、強くはないけど体験させているチームがいいのですが、親の欲目というかひょっとしたらという期待をもってしまうのも事実です。今は時間もお金もかけた子がクラブチームのセレクションにも受かっているのが現実なのでしょうか? あと、そんなにサッカー漬けだと燃え尽き症候群にはならないのでしょうか? もし、強豪のチームへという話になると親の覚悟も必要なので教えて頂ければありがたいです。

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お金や時間をかけるだけでは上達しません
子どもの意思を尊重しましょう

 可愛いお子さんのことですので必死な気持ちは理解できますが、ひと言で言わせていただくと話が飛躍しすぎるように思います。

 お金と時間をかければ、どんな子でもプロになれるのなら、われわれ指導者も苦労しません。トレセンでも何でも、ある程度力のある子が選ばれます。厳しいクラブもあれば、楽しくサッカーをしながらどんどん上手くなるクラブもあります。お金や時間ではなく、その子が与えられた環境のなかでどう育っていくかが鍵となります。

「強豪のチームへという話になると親の覚悟も必要なので教えて」とありますが、覚悟など別段必要ありません。

 日本のプロ選手の中には、親が付きっきりで教える「ステージ親」も存在するようですが、そういう方はほんの一握り、レアケースです。そのように親が干渉し続けてうまくいかなかったケースのほうが、はるかに多い。ただ、サクセスストーリーだけが報道、周知されて、失敗したケースの情報が広く知られていないだけなのです。

 また、この御相談で気になるのは、子どもの声が具体的に書かれていないことです。「何人かは上手な子もいるのでそっちも楽しいと悩んでおります」とあります。ならば、「じゃあ、どうするか自分で決めたら?」と子どもの意思を尊重すればいいのではないでしょうか。

 すでに二者択一になっています。「強くはないけど体験させているチームがいいのですが、親の欲目というかひょっとしたらという期待をもってしまう」とありますが、プレーするのは親御さんではなく子どもさん。ということは、最終的にお子さんに選ばせるべきです。

「強豪クラブのほうでやっていけそう?」「どう思う?」と子どもの気持ちを聞いてあげてください。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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