セレクションってNANDA?~横浜F・マリノスジュニアユース編~
2013年09月04日
コラム伸びていく選手のポイントとは?
──合格する選手、あるいは伸びていく選手に共通する点はありますか?
やっぱりサッカーが好きっていう気持ちをもった子ですよね。技術がそこまでなくても、上がっていった選手はいますから。今トップチームでプレーしている天野(貴史・ジュニアユース~ユース)なんかも小柄だし、技術はそこまで高くない。でも必死で走るし、がんばりますからね。そう考えると、サッカーが好きで負けず嫌い、なおかつ意欲の高い子は伸びると思いますね
──これからセレクションを受ける子どもたちが、気をつけるポイントはどこでしょうか?
とにかく、その時間にサッカーを楽しんで一生懸命やるということではないでしょうか。セレクションのときだけ、よそ行きのプレーをしてもうまくはいかないし、普段もっている力を出すことが一番です。
そこでゲームを高いレベルで楽しむことが大切じゃないかな。それがプレーの中の余裕にもつながってくると思いますから。もちろん緊張するとは思います。ただ緊張していながら「サッカーを楽しんでいる」雰囲気って出せると思うので。
もちろん楽しんだから合格っていうわけではないですが、折角、セレクションの会場に来てサッカーをやるのであれば、そのサッカーの時間を楽しんで、帰ってもらいたいですね。ガツガツいくのが得意な選手が、変に器用なことをやってもうまくはいかないですし、とにかく積み上げてきたものをしっかり出す。それが一番ですね。
──では、最後に親御さんへのアドバイスをお願いします。
この間ドイツに行ったときに感じたんですが、向こうの親は全然ビデオを撮らないんですね。日本はビデオを撮る方も多いですよね。多分、そういうご家庭は、帰宅して、そのビデオを見ながらお父さんがレクチャーするっていう風になりがちだと思うんです。
でも、それだと子どもたちがサッカーから離れられなくなってしまう。実際に失敗したあとにベンチを見たり、あるいは、お父さんやお母さんの方を見てしまう子も中にはいますから。ご両親には、温かい目で見守ってほしいなと思いますね。
セレクションに落ちたからって、ダメだってことは絶対にないですし、逆に受かっても、そのままレールが敷かれてトップに行けるかっていうと、そんなこともないんです。だから過敏にならず、あくまでジュニアユースは通過点のひとつという認識で、子どもたちを追いこむのではなく、逆に子どもを勇気づけてほしいなと思います。
※このインタビュー2010年に実施したものになります。
今年度の横浜F・マリノスジュニアユースセレクションは申し込みが締め切られています。
プロフィール
小池直文(こいけ・なおふみ)
横浜F・マリノス
チーム統括本部・育成ダイレクター
1969年9月21日東京都生まれ。三菱養和ユースから日産ファームに入団。92年に横浜マリノス、その後京都サンガへ移籍した。95年より指導者の道を歩み、現在は横浜F・マリノスで育成年代の指導及び普及にあたっている。
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