コラム

池上コーチの一語一得「少年団からスクールに移籍したがる息子」

2013年10月01日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回は少年団を辞めてスクールでがんばりたいというお子さんの悩みについて、親御さんからのご質問になります。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学4年生の保護者)

小学4年の息子は、地元のサッカー少年団に所属しています。入団したのは3年生の終わりごろからなので、技術面やピッチでの動きもよく分からないため、友達に文句を言われたり、コーチからも「言ったことができないなあ!」などいろいろ言われています。それでも友達関係は保護者同士でコミュニケーションをとっているので、チームで戦うことを子どもに伝え文句ではなく、チームメイトとしての声掛けとして、本人も受け止めるようになりつつあります。
 最近になって技術面のレベルアップのために、サッカースクールに週一で通うようになりました。(スクール)コーチは子どもたちにわかりやすい言葉で熱心に指導されています。息子はスクールのコーチが大好きなので練習を楽しみにしています。“「楽しく真剣に」がコーチの方針”というのは、息子が自ら私に教えてくれました。
 そんなある日、息子が地元のサッカー少年団に行きたくないと言ってきました。理由を尋ねると、
「サッカー少年団のコーチの教え方はわからないし、あまりやってみせてもくれない、また怒鳴るし友達が泣くまで怒られているのをみて怖くなった。ここでのサッカーは楽しくない。スクールのコーチはやってみせてくれるし、どこができていなくて、何を頑張ればいいか教えてくれる。楽しくて練習がすぐに終わってしまう、もっとここでサッカーやりたい」
と、話してくれました。
 そしてスクールに通う友達からも(地元のサッカー少年団を)やめて、一緒にサッカーやろうと誘われています。私としては本人の意思を尊重しようと思いますが、クラブ事情がよく分かってなかったとはいえ、1年は続けて学年が変わるときにスクールのチームに移籍したほうがよいのかな?とも思っています。すぐに移籍しても子どもに悪影響はないでしょうか?

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移籍することで生じるリスクを
きちんと理解してから決断を

子ども自身が楽しいと感じるところでプレーするのがベストです。移籍のタイミングについては、そんなに神経質にならなくてよいと思います。私なら「じゃあ、スクールに行けば?」と本人の意思を尊重します。スクールの方針をお子さんはよくわかっているようですし、上手くなりたいという意思も堅そうですね。

 ただ、気になることが二点あります。
 お子さんは、移籍することでいいこともあるけれど、同時にいくつかのリスクも生じることを理解しているのでしょうか?例えば、地元の少年団なので、団に残る仲間とは関係性が薄くなる場合もあります。やめる前に、そういった移籍に伴うと予想されるリスクを「こんなこともあるかもしれないよ」といった言い方で説明しておいたほうがよいでしょう。

 また、スクールのチームでは、例えば大会などには頻繁に出ないとしたら、毎回ミニゲームなど試合形式の練習にも時間を割いてくれますか?私は、何かの大会に頻繁に出る必要はないと思っていますが、実戦は経験すべきです。

 例えば、「サッカーをするのは、完全にスクールだけ」と決めてしまわずに、スクールに行きながら次のクラブを探すということもできます。

 また、地元のクラブを一度やめてしまうと、もとに戻るのはなかなか難しいようです。移籍を経験された方のお話しをたくさん聞いてきましたが、みなさんそうおっしゃいます。「こちらでは試合に出られなかったから、また戻ってきた」という理由は、なかなか受け入れてもらえません。

 慎重に悔いのない結果が得られることを祈っています。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

VOL44

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