コラム

池上コーチの一語一得「チームが勝てません」

2013年11月19日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回はチームがなかなか勝利をあげられない指導者さんからのご質問になります。

◎練習(試合で修正したい悩み)

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(質問者:小学生の指導者)

1年生から6年生までで総勢30人ほどの小さな地域チームのお父さんコーチをしています。
各学年平均5~6人の子どもたちで形成されています。チームは8人制のローカルリーグ戦に参戦しています。指導力不足のおり、子どもたちの技術はイマイチです。それも含めて子どもたちがサッカーを楽しんでいないように見えますし、自分からいろいろとチャレンジしようとしません。
「ピッチに立ったら自由だよ」とか声がけをしています。対戦ばかりで練習がなかなかできないのも現実なことですが、練習しても練習のための練習になってしまいます。自分のもって行き方だけのような気がしてなりません。
自分はサッカー経験もないですが、指導者講習を受けて現場でやってみましたが、やはり、練習のための練習になってしまいます。どう子どもたちに声がけをしたらいいかな…と悩んでいます。もちろん、チームは連敗街道まっしぐらです。

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試合の対戦相手を見直すこと
力量が同等か以下の相手を選んで

 試合の勝ち負けは、上手な子が何人いるかによるところが大きいので、用意された大会にそのまま参加していれば勝てないのは仕方ありません。もし、御相談された方がおっしゃるように、子どもたちがサッカーを楽しんでいないように見え、自分からいろいろとチャレンジしようともしないのなら、大きな問題です。

 いつも自分たちの実力以上の相手と試合を行っていないでしょうか。どんな大会でも、過去の戦績が常に一回戦負けや予選リーグ全敗でも、日本の指導者や子どもたちは「優勝するぞ、オ―!」と拳を振り上げています。勝負に挑むのに最初から負けるのを前提に試合はしないのですが、大人はもう少し現実的にみてあげることも必要です。

 いつも守備に追われてばかり。大量点を奪われて終わってしまう――。それでは、子どもたちの気持ちも落ち込んでしまいます。大人たちがよく言う「悔しかったら練習しろ!」だけでは、あまりに無責任ですね(もちろん相談者はそんなことを告げていないことは理解しています)。

 ここはまず、参加する大会や練習試合での対戦相手を見直すのもひとつの方策です。力量が同等か少し下くらいの相手と練習試合をさせてあげてください。どうしたら自分たちの思い通りにプレーできるかが少しずつ見えてくるはずです。いつも守備だけして終わってしまうのでは、子どもも大人も自分たちに何ができて何ができないのかといった整理もできません。

 試合相手をうまく探してきてあげてください。もしくは下級生と試合をします。例えば5年生であれば、4年生の試合に連れて行って対戦させてもらうのです。いちいち「相手は一学年下だから負けるな!」などと言う必要はありません。段階的にどう伸ばすかというプロセスなのですから、焦ることはありません。目先の結果に翻弄されずに、その子たちに合った練習方法を見つけて行ってください。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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