サッカー選手に必要な能力「巧緻性」を磨こう【前編】
2013年12月26日
コラム「ヘン(変)な選手」を育てよう!
【その2】
大学生や大人が入ったりする。複数の学年が一緒の縦割り。そのような環境でトレーニングを行いましょう。
実力が上のプレーヤーと一緒にやるような「ゆるい負荷をかける」練習環境を作ってあげましょう。
私の運営する少年のサッカークラブは「ヘン(変)な選手を育てよう」が合言葉です。「ヘンな」は個性的というか、これまであまり出てこなかったクリエーティブで自由なプレーをする選手、という意味です。ですので、巧緻性を高める遊びのメニューをたくさんします。保護者からは「遊びばかりじゃなく、他のチームと同じような練習をしてほしい」と言われることもありますが、うちのクラブはこの方針です。
ブラジルのように異年齢での練習もします。大学生も入れます。大学生には「構わないからスライディングしろ!」と命じます。自分より体が大きい、技術が上のお兄さんとプレーするのは、ゆるい負荷がかかった状態になります。そんな環境が、子どもたちの巧みさを磨きます。やがてスライディングされたら、相手の足をうまくボールと一緒に飛び越えてかわすようなプレーをするように変わります。そして力のついてきた子は、「来るぞ」と感じて自分で工夫するようになるのです。
加えて、力が上の大学生や上級生からきついマークを受けますから「こうしよう」と最初に判断したことを変更せざるを得ない場面もどんどん経験します。例えば、サイドを突破してセンタリングをあげようとしたら、足が出てきた(出てくると予想した)。そこで一瞬の判断でかわして逆を抜いていく、といったことができるようになります。
一方、出てきた足にボールを当てて「はい、コーナー(キック)!」というようなプレーを私たちは評価しません。自分の判断を瞬時にやめられる、変更して巧みに次のプレーに移す。そういう子どもを育てたいのです。
(後編へ続く。次回は12月27日更新予定)
プロフィール
吉村雅文
順天堂大学大学院スポーツ
健康科学部スポーツ科学科准教授
順天堂大学サッカー部監督
1960年、大阪府生まれ。高校まで名門・枚方FCに在籍。順天堂大で活躍後、同大大学院へ進み、サッカー部のコーチも務めた。同志社大、東京電機大を経て現職。2009年に、NPO法人サッカークラブ「Leven(レーヴェン)」を設立。代表に就任。ジュニアのクラブほかシニア体操教室なども開催、コミュニティーの活性化など地域貢献を目指している。明治大時代の長友佑都(インテル)の才能を最初に見出し、大学選抜に抜てきしたことでも有名。全日本大学サッカー連盟技術委員長。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 【AFC U17女子アジアカップ インドネシア2024】U-17日本女子代表メンバー発表!2024.04.15
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!2024.04.11
- 「東北トレセンU-13」が開催!2024.04.10
- 【AFC U23アジアカップ カタール2024】U-23日本代表メンバー発表!2024.04.08
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.17
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.17
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.17
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.17
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.17
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
ADVERTORIAL
ジュニアサッカー大会『2024'DREAM CUPサマー大会in河口湖』参加チーム募集中!! |
人気記事ランキング
- 【AFC U17女子アジアカップ インドネシア2024】U-17日本女子代表メンバー発表!
- 自分よりも大きくて速い選手も1対1で抑える。内田篤人から学びたい守備時の姿勢【フィジカルのプレーモデル】
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【西日本】
- 低学年と高学年の食事量の違いは?/小学校5・6年生向けの夕食レシピ例
- ジュニア年代にも大切なトップ選手の共通点は?“自重コントロール”の重要性【フィジカルのプレーモデル】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 興味と探求心を育む松井大輔の指導「個人戦術を身につけることができれば…」横浜FCスクール初指導で子どもたちに伝えたこと
- 「俺、プロだったけど下手になってる」松井大輔が痛感。横浜FCスクール初指導に密着、子どもたちへの指導の狙いとは
- 「2023ナショナルトレセンU-14 (後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 『JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12』2016年度の参加メンバー768名を発表