子どものために大人が実践したいメンタルサポート5ヵ条【前編】

2014年01月19日

メンタル/教育

「勝ちたい大人」の動揺は子どもに伝染する

 では、強い圧力をかけるのはどんな大人でしょうか。それは「勝ちたい」人々です。「どうせやるなら勝たせたい」「勝ち進めばより多く試合ができるんだから」みなさんそうおっしゃいます。気持ちはわかります。負けてうなだれる姿よりも、勝って喜ぶ姿を見たいでしょう。ですが、いくら勝たせたくても、プレーするのは子どもたちです。「勝つんだ」という思いが強すぎると、中盤を省略してロングボールを蹴るばかりの大味なサッカーになりがちです。そうなると、せっかく技術を磨くための試合が意味のないものになってしまいます。

 加えて、勝ちたい大人自身が試合の際、かなりナーバスになっています。大人の動揺は、子どもへ伝染します。ですので、まずは大人の心を平常心に整えること。私の場合は「今日はどんなサッカーをやってくれるかな?」と、いつもワクワクしながら試合を迎えていました。私だって実は大の負けず嫌いです。千葉県リーグに所属する成人のクラブチームで監督を務めていますが、公式ゲームの前などは子どもを見ているときとは顔が変わります。「俺は負けることが大嫌いなんだ。絶対勝つぞ」とゲキを飛ばします。

 あくまでも対象が大人なので、そういう強い態度を示すのです。何度も言いますが、小学生年代で勝利を最優先してはいけません。たった1点のビハインドで自分たちのサッカーをやらなくなる選手を生んでしまいます。

 スポーツですから、勝ち負けがあるのは当たり前。でも、勝ちたいかどうかは、子どもが決めるもの。あくまで子どもが主役。そう考えて、見守ってあげてください。

 子どもが主役という話をすると「子どもだって勝ちたいはずですよ」とよく言われます。そうならば、どこかのタイミングで子どもと話し合ってほしいと思います。

「試合に勝ちたい」と言えば、「勝ちたいの? じゃあ、どうしたらいい?」と尋ねる。「どんどんボールを取りにいって守備をがんばる」とかいろいろな意見が出るでしょう。私がコーチのときは「ずっとベストメンバーでやる」という子もいました。「じゃあ、他の子は全く出なくてもいいの?」そう聞くと、「うーん」と黙ってしまいます。「勝つためには手段は選ばないのかな? みんなが出られる方がいいんじゃない?」そんなふうに、大人がブレーキをかけてあげることも大切です。

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