ジュニアのうちから“勝負脳”を鍛えて強い選手になる!!【後編】

2014年02月09日

メンタル/教育

チームスポーツに脳科学のノウハウは活きる

人は、感動したり面白いと感じると、表情が豊かになります。人と人の心が通じ合う瞬間ですね。「人心掌握術」という言葉がありますが、人の心をつかむのは決して 術 ではありません。

計算なしの、ごく自然な ありのままの人間 をさらけ出して接することで、思いが相手に伝わるのです。そもそも、人間の能力や才能は、「興味を持ち、好きになる」ことで生まれるもの。赤ちゃんは、お母さんのニッコリした柔らかい顔を見て、お母さんに興味を持ち、好きになる。そこから、脳の神経回路や思考回路が作られるんです。

いわゆる成果主義は、「勝ち負け」へのこだわりを形にしたもの。でも、人間の脳はそんなことを求めていません。脳は「違いを認めて、ともに生きる」仕組みになっているんです。意見や考え方の違いがあっても、それを認め合いながら、ともにやっていく方法を考え編み出すのが脳の本来の姿。政治に例えれば、二大政党ではなくてユニオン。いくつかの得意分野が連合を組むことで、脳の力を引き出せるのです。

サッカーには、いろいろな個性と特徴を持った選手がひとつのチームとなって、力を合わせて戦う面白さがあります。欧米人よりも体力が劣る日本人が彼らに勝つには、まさに脳科学のノウハウを活用すべきではないでしょうか。

<「達成できる人」になる! 勝負脳の法則>

①目的と目標を区別する
「勝つこと」は目的で、「勝つために何をするか」が目標。勝つことではなく、プロセスを重視して勝ち方にこだわってみよう。

②具体策とリミットを明確にする
どうしたら達成できるかの具体策とリミットを定めよう。ただ「がんばります」という、抽象的で曖昧な姿勢では、脳は本気を出さない。

③達成するまで忘れない
ブレない心を持っていれば、いつかは達成できると信じる。できれば、コツコツではなく、ゴールまで一気に駆け上がることが大事。


プロフィール
林 成之
(はやし・なりゆき)

1939年、富山県生まれ。日本大学大学院総合科学研究科教授。画期的な治療法で多くの患者の命を救う、脳外科の第一人者。中でも、脳死寸前の患者を復帰させる「脳低温療法」は、世界にその名を広める大発見となった。2008年北京オリンピックの競泳日本代表チームの選手たちに「勝つための脳=勝負脳」の奥義をアドバイス。北島康介選手をはじめとする日本代表選手団の記録更新に多大な貢献を果たす。著書に『<勝負脳>の鍛え方』(講談社)、『ビジネス<勝負脳>』(ベストセラーズ)などがある。

 


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