試合で実力を出し切るためのメンタルサポート【後編】

2014年03月02日

メンタル/教育

フィギュアスケートの選手も行っているルーティン

 もっとわかりやすく具体的なルーティンをご紹介しましょう。私が指導したことのあるフィギュアスケートの選手は、名前を呼ばれてから競技のスタートを知らせる音楽が鳴り始めるまでに次のようなルーティンを行っていました。

1.軽くスケーテイングをして氷の感覚を確かめる。
2.ジャンプを降りたときの姿勢をチェックする。
3.コーチと言葉を交わす。
4.ゆっくりしゃがんで氷の1点を見つめる。
5.大きく深呼吸をする。
6.前向き言葉を心の中で言う。
7.笑顔を作りながらスタートを待つ。

 皆さんも、自分なりのルーティンを作ってみてください。ただ、ルーティンを作るときはできるだけ短くシンプルなものにすることに注意し、やりやすいことを選んで自分がコントロールできないことは入れないようにしてください。

 これまで紹介してきた目標設定、イメージ・トレーニング、前向きセルフ・トーク、ルーティンのメンタル・トレーニングをひとつでもトレーニングに加え、最高のプレーができる自分に近づいてください。

 「チャンピオンの気持ちを味わいたいのなら、たった一人でもトレーニングを始めなさい」

 という言葉があります。試合で最高のプレーをしたいのなら、一人でも”心“のトレーニングを実行してみましょう。たった一人でトレーニングを始め、それを継続するにもメンタル・タフネスがなければできません。メンタル・タフネスは、選手がもつ身体的、精神的な財産の中で最も大切なものです。逆境をはねかえしていく能力がなくてはすべての努力、技術、才能は宝の持ち腐れになってしまうのですから。


プロフィール
末松芳子
(すえまつ・よしこ)

スポーツ心理カウンセラー
日本女子体育短期大学卒業後、フィギュアースケートプロコーチとして13年間選手育成に当たる。その後スポーツ心理学の権威、米スプリングフィールド大学に留学し、スポーツ心理学、スポーツ・カウンセリングを専攻。スプリングフィールド大学大学院スポーツ心理学修士号を取得。帰国後はスケーター、テニス選手、ゴルファー、トライアスロン選手らのメンタル・トレーニング、カウンセリングに当たる。

 


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