会話は親子の大切な時間――。あなたは子どもと会話のキャッチボールできていますか?

2014年05月11日

コラム

人と人がコミュニケーションを取る上で「言葉」の占める割合は非常に大きく、その重要性は高くなっています。特にジュニア世代では、練習や試合の中での言葉の使い方が個性や才能を大きく変化させるので、慎重に考える必要があります。また親子関係に置き換えた場合でも、会話の中でうまく「言葉」が扱えず、コミュニケーションに悩んでいるかたもいるのではないでしょうか。そこで、今回はジュニア指導のエキスパートで『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』、『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』の著者でもある京都サンガF.C.アドバイザー池上正氏に子どもと会話のキャッチボールをして、より良い関係性を生む方法についてのお話を紹介します。

文●元川悦子 写真●山本浩之

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.12春号』P070-072より転載


子どもの話に耳を傾け、成長を促す

 「指導者をしていて思うのは、親御さんが自分の子どもを良く言わないこと。『ウチの子はあまり運動ができません』『サッカーがうまくないんです』と謙遜して言うたびに、隣にいる子が下を向いていくんです。

 言葉とはそれだけ重要なもの。使い方を本当によく考えないといけません」と話を切り出した池上さん。彼が一番に心がけているのは「子どもと会話のキャッチボールをすること」だという。

 「普通の指導者は子どもが自分が思っていることと違うことを言ったら無視したり、『それは違うでしょ』と一蹴してしまう。私はそう言いません。『なるほど、面白いね。でも今はこっちの話をしているんだ。キミはどう思う?』と受けてあげる。そうすれば、子どもは楽しくなってどんどん喋る。何を言っても許されると思うようになるんです」

 イタリアなど欧州諸国では、親や指導者は子どもの話に100%耳を傾ける。ゆえに、自己主張のできる人間が育つ。しかし日本の場合は「大人の話に入ってきちゃダメ」「子どもは黙ってなさい」と彼らの発言をムリヤリに止めてしまう。それが成長を妨げるのだ。

 池上さんは大阪体育大時代からドイツ留学経験の長かった当時、ジェフのチーム統括部長で、現在フランス・グルノーブルのDGを務める祖母井秀隆氏と交流があり、欧州の情報を数多く入手していた。

 若かりしとき、衝撃を受けたのが「欧州の子どもならこんな練習は面白くないと平気で言うよ。お前ならどうする?」という問いかけだったという。

 「そこで子どもの話を聞かなかったら練習が続かない。メニューを変えるなどの工夫もできない。相手と向き合ってコミュニケーションすることの大切さを痛感させられたんです。でも今の日本には会話のキャッチボールをできる人が本当に少ない。それは問題ですね」

140507決勝BUDDY対レジスタのコピー

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