恩師クルピだけが知っている 4年前の代表落選で見た香川真司選手の人間性とは?

2014年06月19日

コラム

日本代表の10番として攻撃の中心を担い、日本が勝利を得るためにも奮起が期待される香川真司選手(マンチェスター・U)。常にサッカーと真摯に向き合い、愚直に成長を求める姿勢は誰もが認めるところであります。そこで今回は、セレッソ大阪時代に香川選手を指導した、恩師レヴィー・クルピ氏が語る、2010年南アフリカワールドカップの代表落選時に見た、香川選手の人間性について語ったお話を紹介します。

構成●沢田啓明 写真●Getty Images

※『伸ばす力 世界で輝く「日本人選手」育成レシピ』より一部転載


常に自分自身と向き合ってきた、香川真司という男

 2010年は真司にとってJ1での最初のシーズンだったが、彼にとってはJ2もJ1もさしたる違いはなかった。それくらい、飛び抜けた力を持っていた。

 それだけに、多くの人が彼のワールドカップの日本代表登録メンバー入りを期待していた。

 真司に日本代表でプレーできる能力があるのは明らかだった。しかし、それまでの代表戦では、クラブでプレーするときのような積極性や思い切りの良さが影を潜めていることがあった。

 このため、ワールドカップのメンバー入りは当然と万人を納得させられるような数字、結果を残していなかったのも事実だった。

 ワールドカップの日本代表メンバーに選ばれなかったことで、真司は非常につらい思いをしたはずだ。しかし、落選したのだから記者会見を開く義務はなかったにもかかわらず、自ら希望してメディアの前へ出て話をした。

 悲痛な表情を浮かべながら、自分の心境とその後の目標について、率直に語っていた。

 その様子を見て、「これが真司という男なのだ」と思った。

 常に謙虚さを忘れず、自分を無理に大きく見せようとしない。困難や試練から逃げ出さず、しっかりと向き合い、考えられる限りの努力を傾けることで、少しずつ局面を切り開いてゆく。

 もっと上のレベルの選手になるために自分がやるべきことが、頭の中できちんと整理できている。これは誰にでもできることではない。ここに、彼の聡明さがある。

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