4種(小学生年代)で本格化するリーグ戦がもたらすものとは?

2015年03月23日

コラム
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勝ち上がることができるのは『リーグ戦の良さ』を最大限取り入れているチーム

 ただ、JFC FUTUROの鈴木友監督は『星取り勘定』のために出場メンバーを固定しても、リーグ戦を勝ち上がることは容易ではないという。

「むしろトーナメントであれば、そのときの状況によってはフロック(まぐれ)で勝ち上がることもあります。極端な話、実力差のある相手との対戦でも、例えば雨でグラウンドがぬかるんでいて、両チームの選手が思ったようなプレーができず、PK戦での決着になって勝ってしまうこともあります。

 でも長期のリーグだとそうはいきません。学校の行事や体調によっては毎回ベストメンバーが揃わないこともあるでしょう。そういうときにチームの総合力が問われてきますから、レギュラー、バックアップメンバー問わず、チーム全員がきちんと試合に出場して『M-T-M(マッチ-トレーニング-マッチ)』に取り組むことができているのが大切になるのでしょうね」

 このようにJFC FUTUROのような強豪クラブチームの考え方もある一方で、セレクションのない地域ぐるみのサッカーチームはどのように考えているのだろうか。

「私たちのクラブには、まだまだ自分の思ったとおりにプレーのできない子もいます。でも、だからといって、上手い子を中心にして試合をしていてもチームは強くはなりません。ではどうするかというと、今はまだ芽の出ていない子も積極的に試合に取り組めるようにしてあげると、だんだんとサッカーが楽しくなってきて『追いつけ、追い越せ』と伸びてきます。

 すると今度はレギュラーだった子も負けまいと頑張りますから、相乗効果でチーム全体の力が上がってくるのです。だから、チームが強くなりたい、優勝したいのならば、すべての子どもたちができるだけ多くの試合を体験できるようにしたほうがいいのだと思います」と飛田給フットボールクラブ(東京都調布市)の野口通代表は言う。

 子どもの成長には差がある。今は力を発揮できない子でも、あるときグッと伸びることがある。だから、どの子も試合の出場機会は均等に与えなければならない。せっかくの土日にサッカーにきても、試合に出ることができず、ベンチで膝を抱えて砂をいじっているだけでは、サッカーが上手くなるはずもないし、面白くなるはずもない。「サッカーが楽しい!」という気持ちを持たせてあげるのは、ジュニア年代の指導者の大切な使命であろう。

 いずれにしても、子どもたちの育成とチームを強化するためのリーグ戦に対しての取り組み方や考え方は共通している。双方の根底にあるのは「この年代で優先すべきは、一人ひとりの子どもが試合に出場する機会を増やす」という今回のリーグ戦導入にあたっての趣旨だ。

 きっと、もうすぐスタートする2015年度のチーム活動において、より多くの指導者が、このことを念頭に置いて取り組むことができれば、ジュニア年代の強化育成は、年間リーグの推進によって必ず良い方向へと導かれるのではないだろうか。今回の取材を通して、そう感じた。


【取材協力】
一般社団法人 青森県サッカー協会
一般社団法人 福井県サッカー協会(福井県少年サッカー連盟)
公益財団法人 東京都サッカー協会
公益財団法人 埼玉県サッカー協会
公益財団法人 茨城県サッカー協会
一般社団法人 神奈川県サッカー協会
一般社団法人 横浜サッカー協会
一般社団法人 香川県サッカー協会
一般社団法人 鹿児島県サッカー協会
Tachikawa elf FC
飛田給フットボールクラブ
FC芹ヶ谷 東京
JFC FUTURO
OZ湘南FC
足柄フットボールクラブ
こくみん共済 U-12サッカーリーグ事務局


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