「できないことに目を向けるのではなく、今できていることを褒める」 子どもの“自立心”を育むオランダ式子育て

2016年04月29日

コラム

「自立的な行動」とは自ら人に「お願い」と言えること

 オランダのバスや電車には、「お互いに席を譲り合いましょう」とか「周りの人の迷惑にならないように足を組まないでください」とか「車内では迷惑になりますからケータイ電話は控えてください」などといった注意書きがほとんどありません。そういうことは人から言われてすることではなく、自分で気をつけるものだからです。

 実際、そういう注意書きやアナウンスがなくても、お年寄りが車内に乗ってきたら、誰かがさっと席を立ちますし、ホームで「電車が入りますから気をつけてください」というアナウンスがないからといって、日本よりも事故が多いという話も聞きません。

 オランダでいう「自立」とは、自分ができることは自分でやる、できないことは、誰かが気づいてくれるのを待っているのではなく、自分のほうから進んで「お願い」と言えること。また、誰か困っている人がいたら、人に言われなくても自然にすっと手を差し伸べることでもあるのです。

 日本の学生さんたちを連れてよく見学に行く保育園がありますが、その園長さんも、あるとき日本人の学生さんから「この保育園で一番大切にしていることは何ですか?」と聞かれたときに、「子どもたちが自立的に行動できるようにすることです」と答えていました。

 この保育園には、立ったままでおむつ交換ができる流し台ほどの高さのおむつ交換台があります。もう歩くこともでき、言葉も使えるけれどおむつがまだはずれない2歳ぐらいの子どもたちのために、このおむつ交換台には、子どもが自分で交換台まで上っていける階段がついています。子どもはおむつが濡れたり汚れたりすると、保母さんのところに行って「替えて」とお願いして、自分で階段を上っておむつ交換台の上に立つのです。

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