100m走日本記録保持者・伊東浩司先生が伝授する“歩くだけ”で足が速くなるトレーニング方法とは?

2016年05月11日

コラム

「歩くだけトレーニング」で、3秒タイムが縮まった!

「歩くだけトレーニング」の方法を説明していきましょう。そのテレビ番組に出演した子には、最初に30mのライン(直線)の上を歩かせてみました。下を向かずにまっすぐ前を見るようにして、ゆっくり歩くのを3セット。

 慣れてきたと思ったら、徐々にスピードを上げさせました。さらに子どもの気持ちが乗ってきたところを見計らって、「走ってはいけないけど、ギリギリまで速く歩いてごらん」という指示を出します。

 するとその子は、走らないように意識しながらも、できるだけ体を速く動かそうとしたのです。その本数を増やしていき、またタイミングを見計らって、いよいよ「走ってもいいよ」と言う。そうすると、今度もまた思い切り体を動かしたい一心で、どんどん体を速く動かしていきました。

 最後に50m走のタイムを計ったところ、番組の収録が始まったころと比べて3秒もタイムが縮まったのです。トレーニングを始めて、たったの30分です。

 真っすぐなラインを歩く。こんな簡単なトレーニングでも、子どもの足は速くなるのです。言葉のマジックもあるでしょうが、「速く歩いてごらん」と言うと、子どもというのは自然と走り出したくなるものです。「走っちゃダメだよ」と言っても、慣れてきて速く体を動かそうとします。

 ようするに、速く走れないという現実があるのであれば、まずは速く歩けるようになることを目指してみるということです。それに加えて、周りの大人が「すごい」と言ってあげることも大事だし、「速くなった」と本人に思わせることも大切です。そこにどう導いてあげるかが、保護者や指導者にとっては腕の見せ所です。

 走り方というのは少しのきっかけでメキメキと向上していきます。自分で自分の限界を決めつけてはいけません。〝運動が苦手だから足も遅い〞という固定観念はいっさい捨ててください。

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