コラム

心理学者に聞く! ブーイングが選手のパフォーマンスに与える影響とは?

2016年05月30日

相手選手を挑発する、試合に敗れた味方選手や監督に怒りをぶつける、審判への抗議など、スタジアムでは様々なブーイングが飛び交う。果たしてブーイングそのものに効果はあるのか。あるとしたらどのような効果なのか。印象論で語られることが多いサポーターの代名詞的な言動について、〝感動を科学する〟研究者の押見大地氏の言葉を『フットボール批評issue11』から一部抜粋して紹介する。

(文●ミカミカンタ 写真●Getty Images)

『フットボール批評issue11』より一部転載


HANOVER, GERMANY - MARCH 12:  Angry fans of Hannover shouts at the players after the Bundesliga match between Hannover 96 and 1. FC Koeln at HDI-Arena on March 12, 2016 in Hanover, Germany.  (Photo by Stuart Franklin/Bongarts/Getty Images)

サッカーではなぜブーイングが起こるのか?

 スタジアムには時として大きなブーイングが巻き起こる。

 ブーイングの是非はサポーター間で長くくすぶっている問題だ。今回、そのブーイングについて相手チーム選手と自チーム選手に対するものに絞って少しだけ書いてみたい。サポーターが行うブーイングには何かはっきりとした効果があるのだろうか?

 まずは早稲田大学スポーツ科学学術院の押見大地助教に会いに行った。押見はこれまで主にスポーツにおける消費者(参加者および観戦者)行動の研究を重ね、中でも観戦者の心理的な部分、感情面に着目した研究を行ってきた。スポーツ観戦者が感動に至る心理プロセスを解き明かそうとする、日本でも数少ない〝感動を科学する〟研究者だ。原田宗彦・押見大地・福原崇之による共著『Jリーグマーケティングの基礎知識』(創文企画 2013年刊)はJリーグを心理学・経済学・経営学といったスポーツ科学の観点から分析した非常に興味深い研究書である。

――先生は感動の専門家ですが、ブーイングについて研究されている専門家というのは日本にいるんでしょうか?

「海外ではスポーツ心理学の分野で論文を発表している方が何人かいるようですが日本では聞いたことがないですね。私が読んだものでは審判に対する影響が一番強いと結論付けているものが多かったです」

――ブーイングはいろんなJクラブのサポーターがやっていますけど、私には浦和レッズの印象が一番強く残っています。以前、浦和のサポーターがフロントだったか選手だったかにブーイングをしている時、ひとりのサポーターが「俺たちはおまえらを応援しているんじゃない、浦和を応援しているんだ!」と叫んだのを聞いたことがあります。私は変に感心したんですが、自分が応援しているクラブだったりチームの人間にブーイングをする心理というのはどう考えればいいのでしょう?

「スポーツ観戦者の概念でポイント・オブ・アタッチメントというのがあります。観客がどこに愛着を持って試合を観ているかといったようなことですね。それは選手だったり監督だったりチーム全体だったりといくつかに分類されているんですが、浦和の場合は平均すると誰か個人ではなく、浦和という地域の名前を冠しているクラブやチーム全体に対してのアタッチメントの値が強いのかもしれません。だとすると浦和の名前を汚すようなプレーや結果がブーイングにつながるということも充分に考えられます。プロ野球の阪神ファンなんかにも同じようなメカニズムが働いているかもしれませんね」

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