Jデビューを飾った久保建英選手は何がすごいのか/編集長の眼

2016年11月07日

コラム

11月5日にJ最年少デビューを飾ったFC東京U-23の久保建英選手。子どものときから久保選手はどんなプレーがすごかったのか。当時の思い出とともに振り返る。

文●吉村洋人(ジュニサカ編集長) 写真●木鋪虎雄、ジュニサカ編集部


久保建英選手を初めて見たときの衝撃

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【川崎フロンターレ時代の久保建英選手(写真:ジュニサカ編集部)】

 久保建英選手を初めて目にしたのは、今から6年前の「第18回マリノスカップU-10」という大会。この大会は、U-10(小学4年生以下)の大会で、当時小学3年生の久保選手も川崎フロンターレU-10の一員として出場していました。

 そのころにはすでに「すごい選手がいる」という噂が編集部にも耳に入っていましたが、実際目の当たりすると、やはりテクニックが、ほかの選手よりも秀でていて、私自身も驚いたのを覚えています。

 まず驚いたことは、ボールを所持しているとき、ボールを受けるときの姿勢。つねにヘッドアップしている状態で、つまり余裕をもってドリブルやパスの選択ができる状態でプレーしていました。それとキックもすばらしかった。インサイド、インステップ、インフロントと、どのキックもその年代では高い精度を誇っていました。

 そして、最も印象深かったのが、“ミスをしても平然と切り替えてプレーできること”でした。「え?そんなこと?」とごく普通のことかのように聞こえるかもしれませんが、U-10年代の選手ではなかなかできないこと。どうしてもプレーのミスが出たときに、「あーしまった!」とか「いやー」とか言いながらその場に立ち止まって、顔を上げてしまう選手がほとんどです。「おいっ、切り替えろ」とコーチ、もしくは仲間たちから声をかけられてようやく動き出す選手たち。しかし、久保選手は、すぐに自分のポジションにかえったり、ボールを奪われていたら奪いに行こうとしたり、落ちついて次のプレーを続けていました。

 そんな久保選手が、11月5日(土)に行われた明治安田生命J3リーグ第28節、FC東京U-23対AC長野パルセイロで後半から途中出場し、Jリーグデビュー戦を飾りました。

 これによって、2004年に森本貴幸選手(当時東京V)がマークした15歳10ヶ月6日の記録を抜く、15歳5ヶ月1日という最年少出場記録を更新。私も会場からその光景を眺めていましたが、実際に試合でも、昔と変わらず、ジュニア年代に培った自分の武器であるドリブルやパスを生かしてプレーし、45分の出場にもかかわらず、チームに攻撃のリズムをもたらしていました。もちろん、何度かボールをロストするシーンもありましたが、すぐに切り替えてプレーしている姿も、昔と変わらず冷静に次のプレーを続けていました。ジュニア時代からよく知っている選手だけに、偉大な記録を塗り替えたことを、素直にうれしく感じました。

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【最年少出場記録を“15歳5ヶ月1日”に更新した久保選手(写真:木鋪虎雄)】

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