「ほめるって、ムズかしい!」を解決する! 子どもを伸ばす“ほめ方”講座

2017年02月07日

コラム

「ほめることで子どもが伸びる、育つ」と言われます。「怒鳴るのをやめて子どもをほめて育てたい」と親や指導者は思うものですが、ほめ方とは案外難しいもの。照れもあってうまく言葉が出てこなかったり、使う言葉を勘違いしていたりすることが多いものです。親にとって永遠の課題であるほめ方、叱り方について、「怒鳴らない子育て練習講座」を開催し、実績を上げているという、神奈川県茅ヶ崎市こども育成相談課でお話をうかがいました。

(文●戸塚美奈 写真●ジュニサカ編集部)

※この記事は2013年06月29日に掲載した記事を再編集したものです

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.26秋号』より転載


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あいまいな言葉を使わず、具体的に伝えることが大事

 茅ヶ崎市で2009年から実施している「怒鳴らない子育て練習講座」、通称「そだれん」は、アメリカで開発されたコモンセンスペアレンティングという児童虐待防止のプログラムを使用しています。

 もともとは虐待した親に、暴力や暴言を使わずに子どもを育てる技術を伝えることを目的として作られたプログラムです。講座がスタートしたきっかけは、市の職員がこの講座の講師になれる資格を取得していたことでした。何気なく自分の子どもたちに試してみたところ、意外なほど効果があったため、ごく普通の家庭の子育て支援にも役立つのでは? ということで始まったものです。

 実施後、講座を受けた方のアンケートでもこれまで怒る頻度が10であったものが、5.7になったという結果が出ています。お母さんの負担感はかなり減っているようですし、お母さんが落ち着くことで、子どもも落ち着いてくるようです。

 このプログラムは、3歳から12歳向けに作られていますが、思春期のお子さんにも応用できる部分が多く、夫婦間のコミュニケーションにもかなり使える部分があると思います。

 講座で最初にお伝えしているのは、わかりやすいコミュニケーションです。遠くから声を張りあげるのではなく、できるだけ子どものそばに寄って、目を合わせて声をかける。そして、子どもにしてほしいことを具体的に伝えます。

 子どもが取るべき行動を具体的に表現するのがポイントです。「いい子にしてて」などのあいまいな言葉では、子どもはどう行動すればいいかわかりません。「ちゃんとして」ではなく、「洗濯物は洗濯かごに入れてね」「ゲームをしないで本を読んでいてね」と、やってほしいことを具体的に伝えるようにします。

 具体的に伝えることを心がけたいのは、ほめるときも同じです。良いことをしたときには、「~できたね」「~できてえらかったね」と、子どもの行動を言って、ほめます。そうすると、また同じ行動をしやすくなります。

 サッカーの例で言うと、「それはよかったね」とプレーをほめても、実際に何がよかったのか、子どもに伝わってこないことがけっこうあると思います。「それはよかったね」は、パスがよかったのか、パスを出す前に合図したのがよかったのか。どの部分なのか具体的に言ってあげたほうがいいと思います。

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