ジュニア年代では“何人制”でもいい。重要なのは選手たちが様々な経験をすること/ヴァンフォーレ甲府 西川陽介氏 編【短期連載】

2017年03月31日

インタビュー

 一人ひとりのボールタッチ数が増え、ピッチが狭い分全員が攻守に関わりやすくなる。8人制サッカーがスタートして5年がたった。“少人数制”サッカーの採用は4種の育成の現場に何をもたらしたのか。

 2017年3月6日に発売となった『ジュニアサッカーを応援しよう! Vol.44春号』の第2特集では、複数のサッカー関係者に取材協力を頂き、8人制サッカーを見つめる企画を行った。ページの都合上、誌面ではインタビューの一部しか掲載できなかったが、それぞれに内容が濃く8人制サッカーを通してジュニアサッカーを見つめ直すいい機会になると考えたため、本誌とWebの連動企画として4人のサッカー関係者のインタビューを全文公開する。

 四人目は今回の取材対象者で唯一のJクラブとなるヴァンフォーレ甲府でアカデミーダイレクターを務める西川陽介氏だ。プロ選手を育てるという目的を持つJ育成組織では、8人制サッカーをどう捉えて育成に生かしているのか、ぜひご一読いただきたい。

西川氏前編はコチラから
8人制サッカー検証 特集ページはコチラから

(取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之、ジュニサカ編集部)


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指導で大切にしていることは“感度”を養うこと

――以前取材をした時、選手の感度を大切にしていると言われていました。特にジュニア年代でそれを育てる必要があると。

「選手が心で感じてプレーを学ばないことにはすべてのことは身につきません。選手の心を動かす鍵は指導者が握っています。選手が考える習慣、スポンジのように様々なものを吸収するというメンタリティがないと、全部が頭打ちになってしまうんです。だから、私たちは感性を磨くことを大事にしています。

 子どもの間は大人に守られる瞬間がたくさんあります。でも、彼らが自立し考える習慣を身につけなければサッカーは上手くなりません。うちはサッカーの中で考えることをポンと落とすことで、選手たちの解決する力を養っています。サッカーは一人で解決できないことがたくさんありますが、仲間のアイディアをヒントにすることで解決したい問題を紐解いて行って答えを導き出せることがたくさんあります。

 だから、私は雰囲気作りを大切にしています。どんなにすばらしい指導者であっても、選手がどんなものも吸収する心と仲間との関係が築けなければ絶対にサッカーをうまくすることはできません。私たちが大切に育むべきことは“フットボールブレイン”です。一つの対面パスもサッカーのシチュエーションを想像しどれだけイメージを持つかで吸収できるものは違うわけです。

『いま何かをつかんだな』『何か物足りなそうだな』。選手の様子を見て、指導者がそういうことに気づくかどうかが重要だと思います。興味がなさそうだなと感じたら180度違うことをいきなり落とすんです。すると選手に混乱が生じますが、それが必要なんです。どうすれば解決できるかを考え始めるきっかけになりますから。私たちは日常からそれをやっています」

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