“チームの結果”と“個々の育成”を両立させるアルゼンチンの育成法。ジュニア世代から求められる専門性

2017年04月14日

コラム

子どもの頃から求められる専門性

 アルゼンチンでは、本格的な戦術練習がスタートするのは基本的にはU-15世代を迎えてからだ。育成年代では、戦術の要求に応えるための技術・体力を身につけることに重きがおかれる。ただし、これが個人戦術となると話しは別だ。

 2011年から、ラヌースのU-12以下の総責任者を務めるカルロス・ロディコ氏は、「ジュニア世代に一番必要なことは何か?」という問いかけにこう答えてくれた。
「ポジショングや、いつ、どこで、何をすべきかということも含めて、11人制でのサッカーの動きをしっかりと理解すること。そして、各ポジションで求められていることを子どもたちが把握し、指導者が何度も反芻しながら伝えることです。プロを目指す上で、ジュニアで個人戦術を理解しているのと、いないのでは、将来的に埋めがたい大きな差となります」

 補足となるが、アルゼンチンではポジションを背番号で呼ぶことが一般的だ。その理由としては、それぞれのポジションの特性、動き方、プレーを共通認識とすることで、指導がスムーズになるということが挙げられる。

 飯沼氏は、「アルゼンチンでは、『ポジションはどこ?』という言葉はほとんど使いません。クラブには毎週多くのテスト生が来ますが、『お前何番の選手なんだ?』といった、やり取りが7、8歳の子どもたちや保護者、指導者の間で自然と成り立つんです」と話す。

 ここでいう背番号だが、例えば2トップを意味する「7番」と「9番」でも、求められる要素は大きく異なる。9番は「レフェレンテ・デ・アレア」(エリアの目印)と呼ばれるポストプレーヤー、7番「ヘネラドーレス・デ・デスボルデ」(意外性つくり出す選手)は、動きまわるタイプのシャドーストライカー。そして、ゲームメイクを担う10番、ボランチの5番など、各ポジションでその役割が明確化されている。

「例えば5番(ボランチ)の選手だと、自分の体がボールより前に出てはいけない。理由は、視野を180度確保するためです。2番(センターバック)の選手の場合、縦パスよりも、優先的にサイドへのパスを選択する。これは、ミスによるカウンターのリスクを極力減らすため。4番(サイドバック)の選手は、内へのドリブルは禁止。外へ、外へのプレーが必須となります。9番(FW)だと、ポストプレーの際に、無理に前を向くターンを行わない。難しいプレーをする必要がない場面では、セーフティにフリーの味方を使うほうがゴールにつながる確率が高いからです。アルゼンチンの選手のプレーに迷いがないのは、こういった各ポジションの決まり事が、ジュニア時代で体に染みついているからです」

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