コラム

想像よりも「何倍もシステム化されている」。模倣から入り独自性につなげるブラジルの選手育成法

2017年04月17日

日本から見た南米のサッカーといえば、テクニックなどの技術力をイメージされる方が多いのではないでしょうか。確かに、ブラジル代表のネイマールやアルゼンチン代表のリオネル・メッシ(ともにバルセロナ)など南米出身の選手たちは、華麗なプレーで観客を魅了します。では実際のところ、南米の名門クラブではどのような選手育成を行っているのでしょうか。前回は『チームの結果”と“個々の育成”を両立させるアルゼンチンの育成法』を紹介しましたが、今回はブラジルでも屈指の強豪クラブ・コリンチャンスなどで指導経験のある平安山良太氏の言葉からブラジルの選手育成論を紐解きます。

文●栗田シメイ 写真●Getty Images

『ジュニアサッカーを応援しよう! Vol.39』より転載


MANAUS, BRAZIL - JUNE 14:  Young local boys play football in the street prior to the 2014 FIFA World Cup Brazil Group D match between England and Italy at Arena Amazonia on June 14, 2014 in Manaus, Brazil.  (Photo by Warren Little/Getty Images)

最新テクノロジーと原始的なトレーニングの両立

 平安山良太氏は、名古屋グランパスでのアシスタントコーチや、アジア各国での指導者を経て、「故郷である、FC琉球に貢献できるような指導者になりたい」という思いを胸に、2013年単身ブラジルへ渡った。なぜ、ブラジルだったのか? という問いに、平安山氏は少し笑みを浮かべながらこう述懐する。

「もともと、ブラジルや南米にこだわりがあったわけじゃないんです。沖縄人の気質や、練習環境を考えたときに、組織的なヨーロッパよりも、自由かつルーズなイメージがある南米サッカーのほうがマッチングするのでは、と考えました(笑)。ただ、実際にブラジルに来たときは、思っていた何倍もシステム化されているな、という印象を持ちました。コリンチャンスでお世話になってからは、その考えは一層強まりましたね」

 現在、ブラジル全国リーグを首位で独走し、ブラジルだけに留まらず、世界的な名門クラブであるコリンチャンス。その育成部門もブラジルトップクラスの実績を誇り、近年ではチェルシーの主力であるウィリアンなど、数多のトップレベルの選手を輩出している。

 平安山氏を驚かせたのは、コリンチャンスが育成世代から練習や試合中にGPSを使用し、走行距離や心拍数、選手の最高速を計測する最新テクノロジーを取り入れていたこと。加えて、コーディネーショントレーニングで、ラダーの変わりにタイヤを使用するという、原始的ともいえる独特なメソッドが共存していたことだ。

「最新のテクノロジーを導入することで、正確に数値を把握でき、課題が目に見えた形で現れる。ジュニア世代でも、分析には力と時間を注いでいます。一方で、タイヤを使うコーディネーションでは、ラダーより自由度の高い練習ができますし、腿を上げるという意識づけや身体能力の向上にもつながる。テクノロジー一辺倒ではなく、工夫を凝らしオリジナルな視点を加えること。このバランスが大切だと思いますし、日本の育成現場に欠けている視点かもしれません」

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