コラム

1対1はサッカーじゃない!? 池上正コーチが語るトレーニングの在り方

2017年05月17日

ジュニサカでもおなじみ、池上正さんの監修本『池上正の子どもが伸びるサッカーの練習』が4月14日に発売し、話題となっています。前回は池上さんの指導者の心得として『“教えない”指導』について紹介しましたが、今回はサッカーに踏み込んだ技術的な部分を紹介します。

「指導とは“教えない”こと」池上正コーチが語るジュニア指導の心得

(監修●池上正 写真●佐藤博之)

池上正の子どもが伸びるサッカーの練習』より一部転載


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サッカーの練習に1vs1はあってはいけない

「サッカーの練習に1対1があってはいけない」と、私はよく言っています。1対1はチームスポーツではありません。サッカーの最小単位は2対1、あるいは2対2です。欧州のクラブへ行ったときに同じ話をすると、向こうのコーチは9割方、「その通りだ」と賛同してくれます。サッカーの先進国では当たり前の考えです。

 ところが、日本では1対1がサッカーのスタートになるのが現状です。味方がいないため、子どもたちはまったく周りを見ていません。ずっと下を向いてドリブルしている。それでいいのでしょうか?

 それではサッカーがうまくなりません。同じドリブルでも、味方がいる状況と、いない状況では、姿勢やボールの置き方など、すべてが違うものになります。味方がいない状況は試合ではあり得ません。

 そしてもう一つ、日本でよく見られる典型的な練習はリフティングです。私は「リフティングがうまくなるとサッカーが下手になるよ」とよく言います。リフティングをするとき、子どもたちはボールをじっと見ています。でも、サッカーはボールだけではなく、周りを見ます。周りを見ながらリフティングができればすごいですが、そうでなければ、サッカーの練習とは言えません。

 南米や欧州の子どもだって、遊びでリフティングをやることはあります。ただし、日本のように回数を競ったりはしません。地面に落としても構わず続けます。試合でボールを地面に落としたら負けになるでしょうか?
 
 そんなことはありませんね。100回も1000回も落とさず、長く続けることに意味はないのです。また、1000回のリフティングとなると10分くらいかかりますが、その間、その子はひとりぼっち。サッカーでそんなことがあり得ますか?

 サッカーの最小単位は2対1です。2対1をスタートにすると、全く違う子どもが育ちます。それは私が実感していることです。

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サッカーを細かく切り出しすぎてはいけない

 1対1やリフティングは、サッカーの練習ではありません。ボールフィーリングの練習です。やるとしても、長くやりすぎてはいけません。
 
 どちらにも共通する問題は、試合のリアリティーがないことです。同じことを繰り返したり、状況を切り出したりする時点で、それはサッカーの試合から離れたものになります。

 細かく切り出せば切り出すほど、サッカーから離れて行く。まさに1対1やリフティングは、サッカーを細かく切り出しすぎた典型例でしょう。そのことに気づいている日本の指導者は少ないと思います。

 その影響は子どもにも及びます。あるとき、私が出張指導に行ったチームで、子どもたちがヒールリフト(ボールを挟んでカカトで上へ跳ね上げる技術)を練習していました。みんな一生懸命にやっているので、「試合で使えるようにしないとね」と声をかけたら、子どもたちは「えーっ! 試合で使っちゃダメだよ!」と言うんです。だったら、何のための練習でしょうか? サーカスに出るんでしょうか? ヒールリフトは『ジジフェイント』と呼ばれていました。ブラジルのジジという名選手が試合中にやり始めて、そこから有名になった技術です。

 試合のために編み出したプレーなのに、日本では「試合で使うな」と言われています。おかしいと思いませんか? 使えばいいのに。そのために練習すればいいのに。トーキックに似ていますが、練習すれば正確にコントロールできるし、試合で使えば、最初は失敗しても、徐々にいつ、どんな状況で役に立つのかがわかってきます。

 トレーニングとは何か? 試合です。試合をやれば、その中にキックもパスもドリブルもフェイントも、全部あります。練習はあくまでも補足。試合がベースにあることを忘れず、練習のための練習にならないように注意してください。
 
 これは試合であり得るのか? 指導者はそんなことを、常に自分に問いかけると良いと思います。


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【書名】池上正の子どもが伸びるサッカーの練習
【発行】池田書店
【監修】池上正
【編著】清水英斗
B5判/160ページ
2017/4/14発売

⇒はじめての子もできる練習を多数収録。周囲を見る力、考える力を育てるメニューが満載。練習がうまくいかないときは?子どもへの声かけを紹介。幼稚園児から低学年、高学年まで、年代を交ぜて練習ができる!「運動神経」「コミュニケーション能力」「考える力」現代っ子に足りない要素が練習で身につく!


 

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