目に見えづらいスキルを高める方法とは。『危機察知能力』と『オフ・ザ・ボール』の動きの指導方法を学ぶ

2017年05月22日

コラム

<池上さんのことば辞典>

フ・ザ・ボール

【名詞】同義)ボールがないところの動き

ボールを保持しない状態。サッカー
では一人の選手が1試合でボールを
保持する時間は平均2分。残り88分
は、この「オフ・ザ・ボールの動き」
がいかに有効になされているかが重
要と言われる。スペースをつくる、
もしくはスペースを使うためのフリ
ーランニングを指す。

■池上さん解説■

ボールを持っていないときにどう動けばいいのか

 オフ・ザ・ボールの動きに優れた日本人選手はあまりいません。元日本代表監督のオシムさんは、よく嘆いていました。「日本人は自分がボールを欲しい時は走るけど、他人のためには走れない。自分が走って移動することでスペースをつくって、そこで他の選手が生きるようなフリーランニングができないんだよ」

 11人制であれば、GKを含めると、誰かがボールを保持していれば、他の10人がオフ・ザ・ボールの状態です。周りを見ながら、自分がどう動けば良いのかを常に考えられるようにしたいものです。

 例えば、スペインでは日本なら高校生以上が行うような「パターン練習」と呼ばれる攻撃の形を繰り返すトレーニングを、小学生の時期から行います。センターサークル付近でパス交換してサイドにパス、ワイドアタッカーが外からドリブルしてクロスを上げる。中央でパス交換をしていた二人がゴール前に詰めてシュートする。
 
 そのようなアタック練習をいくつかの基本パターンを作って何度も練習しています。その際は守備はつけません。その中で、オフ・ザ・ボールの動きを体に染み込ませていきます。

 ボールがないところの動きを習得するには、人が多過ぎると子どもには分かりづらくなります。ジュニア期には4対2、4対4など少人数のトレーニングが有効です。低学年なら、攻撃になると常に動かなくてはならない2対1を繰り返していけば、常にボールと関わる感覚を養うことができるでしょう。


池上さんのことば辞典
【商品名】サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典
【監修】池上正
【著者】島沢優子
A5判/240ページ
⇒家庭、指導現場で実践。どうしたら伸びる? 悩んだら、この辞典を開け!
【目次】
第1章 力を引き出す、引き出さない「問いかけ・声がけ」
第2章 とらえ直したい「サッカーまわりのことば」
第3章 本質を伝える「サッカー用語」

【本書で収録されている言葉】
わかった?/質問ありますか?/どうですか?/
楽しかった?/それで満足なの?/面白いね/
このままでいい?/好きなようにやってごらん/
あわてないでやってごらん/友達にきいてみたら?/
いい質問だね/問題ないよ/次は気をつけてみよう/
楽しくないね?/やってみたら?/大丈夫ですか?/
ほかのやり方はないのかな?/自分だけ楽しければいいの?/
どんな感じ?/どうすればうまくいく?/
どうしてできないの?/選ぶのは君だよ/
コーチが決めて/勝ちたくないの?/助けてあげたら?/
ボール見ろ!/切り替えろ/何回外してるの?/
首振って! /ボールがもらえますか?/ゴールは見た?/
何を見ましたか?/つないでいこう/広いほうに/
ライン上げろ/教えない/教える/認める/
厳しくする/指導力/ドーパミン/
モチベーションアップ/バーンアウト/ご褒美理論/
セレクション/プレーヤーズファースト/
オープンマインド/インテリジェンス/
オーバーコーチング/負けず嫌い/勝利至上主義/
五感/親の役割/テレビ観戦/縦割り/
キャプテン/リーグ戦/習い事/優先順位/
メンバー決め/センス/泥くさい/
理不尽/伸びる条件/自立/主役

……etc


 

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