「夏の過ごし方次第でサッカーが変わる」。生活・食事・練習の3つの観点からジュニアサッカー選手の夏休みのポイントを紹介!

2017年07月10日

コラム
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夏休みに入ると夜更かしをしたり、アイスをたくさん食べたりとついつい不規則な生活習慣に陥るジュニアサッカー選手も多いのではないでしょうか。今回は「夏の過ごし方次第でサッカーが変わる」と話す早稲田大学スポーツ科学学術院教授の広瀬統一先生の言葉からジュニアサッカー選手が夏休みをどのようにしてを過ごすべきなのか考えていきたいと思います。

文●岩本勝暁 写真●ジュニサカ編集部、古賀庸介

    

『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.17』より転載


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朝寝坊すると体温リズムに狂いが生じ、集中力も低下する

 トレーニングをして得られる刺激を10とします。その10の刺激はコンディションが良く、体調が万全であれば、すべて自分のものにすることができるでしょう。

 しかし、当然のことながら、体に疲労を抱えたままでは、すべての刺激を吸収することはできません。途中でも疲れてしまえば要求された運動ができず、かえってストレスだけが蓄積されます。コンディションの状態がいつもの半分であれば得られる刺激も半分に溜まってしまうのです。

 運動には「オーバーロードの原則」というものがあり、自分が持っている能力、あるいは日常生活で行っている以上の運動をしないと、トレーニングの効果は表れません。そういう意味でも、日々の生活からコンディションをしっかりと整えて、練習や試合で常に持っている能力をすべて出せるようにすることが大切です。

 夏休みに限らず、その準備は誰もがやっておかなければいけないことです。

 夏休みのコンディションの管理において、朝寝坊は一番の大敵です。  

自由な時間が増えたからといって、夜遅くまでテレビゲームに熱中したり、マンガを読んでいる子も多くなるでしょう。しかし、夜更かしが続くと、当然、朝早く起きられなくなります。遅く起きる生活に慣れてしまえば、目が冴えて早い時間に寝られません。結果的に遅寝・遅起き型の、慢性的な時差ボケ状態になってしまいます。  

 朝寝坊のデメリットのひとつに、朝食を食べる時間が遅くなることがあります。そうすると、体温リズムに狂いが生じ、集中力も低下。練習中にケガをすることもあるし、コーチに言われたことに対して体がスムーズに反応しません。そんな状況では、どれだけ良いトレーニングをしても、効果は半減してしまいます。  

 まずは、早く起きることを心がけましょう。そのためには親御さんの協力も必要です。「夏休みだからゆっくり寝かせておこう」ではなく、朝はしっかり起きる習慣を身につけさせてください。十分な睡眠時間を取らせたいのなら、前の夜は早く寝かせること。はっきりと指導してあげることが大切です。  

 ではどれくらい睡眠時間をとればよいのか。理想的な睡眠時間というのは一様ではなく、人によって異なります。ただし入眠後4時間程度で疲労回復や体づくりに必要な成長ホルモンの分泌がピークになります。従って短い、浅い眠りでは、睡眠による疲労回復の効果は少ないのです。

 統計によると、イギリスをはじめとするヨーロッパ諸国は、中学生の年代で1日平均10時間くらい寝ていると言われています。それに対して、日本は同じ年代で平均7時間以下。比較してみると、日本の子どもは圧倒的に睡眠時間が少ないことがわかります。  

もちろん最適な睡眠時間というのは個人差があるので、一概に「これくらいの時間は睡眠を取りましょう」とは言えません。それでも、子どもたちには8時間は睡眠を取ってほしいところ。例えば、朝は6時に起きると決めたなら、逆算して前の夜の10時、もしくは9時に寝るという生活がいいですね。

170710

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