なぜ“石川直宏”は人を惹きつけるのか。今季での引退を決意した“ミスター東京”の少年時代

2017年08月04日

コラム

息子のプレーに衝撃を受けた父・二三夫さん

 母・さなえさんは忙しい合間を縫って、そんな息子の試合に駆けつけた。が、二三夫さんは サッカーにまるで興味がなく、低学年までは息子の試合を一度も見に行ったことがなかったというから驚きだ。

「私は『子どもは山を走っていればいいんだ』という考えでしたから、正直、サッカーを見に行くことには積極的でなかったですね」と父は苦笑いしていた。

「僕自身は見に来てほしかったけれど、土日に親父が休みってことがほとんどなかったし、釣りとかウインドサーフィンとか自分の趣味優先の人だったんで、まあ仕方なかったですね」と石川も父の事情を理解していた。
 
 ところが、そんなスタンスがガラリと変わったのが、4年生のときだ。三浦半島の大会に出ていた息子をたまたま見るチャンスに恵まれた二三夫さんは、直宏少年のプレーに衝撃を受けたのだ。

「他の子と全く動きが違ったんです。ボールのあるところにはいつも直宏がいるという感じで、『これだけ目立ってるならプロになれるかもしれない』って思いました。そんな華々しい活躍は三浦半島の中だけでしたが(笑)。でも、これだけ活躍しているなら、少しは応援しないといけないと思って、少しずつ足を運ぶようになりましたね」
 
 ちょうどこの頃、運転の仕事が観光バスから路線バスに変わり、休みを取りやすくなったのもプラスに働いた。二三夫さんが来てくれるようになったことで、石川三兄弟のモチベーションは一段と上がった。
 
 小柄ながらスピードとテクニックを併せもつ直宏少年は横須賀市選抜、神奈川県選抜と順調に階段を駆け上がり、5年生で関東選抜入りも果たした。

「レベルが上がれば上がるほど上手な人はいっぱいいるし、もっともっとうまくなりたいと意欲が高まりました」

 両親もビデオを撮り、車を出すなど、できる協力は惜しまなかった。親子の絆もさらに深まっていった。

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