コラム

“トレセン”はどうあるべきか。JFAユース育成ダイレクターが語る「多くの選手に刺激を与えつづけること」の意味

2017年08月08日

須藤茂光FFP
【6日まで御殿場で行われていたJFAフットボールフューチャープログラムで768名の子どもたちを前に総評する須藤茂光ユース育成ダイレクター】(写真●松田杏子)

可能性をある選手たちに刺激を与えつづける環境づくりを

 JFAは、これまでもU-13、U-14を対象としたエリートプログラムなどを行ってきた。ただ、ナショナルトレセンにしても誕生月をしぼるなど『選考の工夫』により、その時点でトップエリートではない選手を拾いあげることもできるが、それでも同年代の大多数を網羅することはできない。

「ジュニアユース年代では間違いなく日常のトレーニングの質が重要です。そして日常とは違う質が要求されるトレセンの存在は選手にとって大きな刺激になります。今後もっと多く、よりよい選手を輩出していくには、日常の環境をもっともっとよくしていく。さらに、リーグ戦を柱としたゲーム環境も整えて、さまざまな年代において週末行われる試合をもっと拮抗した内容にする。そうすれば20歳を過ぎたときには、上手いだけではなく、試合で鍛えられた戦えるいい選手はだいたい見えていくと思います。繰り返しになりますが、今以上にトレーニングとゲーム環境を整えていくことが、日本のレベルをさらに向上させるうえで重要なことではないかと感じています」

 だからこそ全国津々浦々で行われるリーグ戦を中心とした試合を通じて、選手たちがプレーをしながら学び、成長できる環境、そしてナショナルトレセンを1つの大きな幹としながら、そこから伸びる枝葉のところで指導者がいかに1人ひとりの選手と向き合いながら、適切な指導をしていけるかが重要になるのだ。最近JFAが全国のトレセンを対象とした『トレセン認定制度※』を設けているのも、そうした趣旨によるものだ。

※トレセン認定制度とは
全国各地で実施されているトレセン活動の更なる質の向上を目指し、一定の基準を満たしたトレセンに対しJFAトレセン認定(以下「認定」という。)を付与することにより、管轄するサッカー協会による漏れのない選手の発掘・育成、認定された指導者を通じてのレベルの底上げとJFAの方向性・指針の発信、プレー環境の安心安全を高めることを目的とする。(JFA公式HPより)

「“トップ・オブ・トップ”をさらに引き上げていくことと、可能性のある年代の子どもたちにより良い刺激を与えつづけることが必要だとを考えています。だからこそ彼らが日頃どう過ごすかが重要です。トレセン認定制度を設けたのにはそういった理由もあります。質の高いトレセンでなければなりません。指導力のある指導者たちに関わってもらうことで、その地域の指導者にも子どもたちと同じような刺激を与えることが大切なんです」

「“観て”、判断して、実行する」ことが現代のサッカーに求められてきていると語る須藤氏。そうしたことを、その都度アンダー代表やエリート教育を受けた選手たちが国際大会で経験的に学ぶ機会を与える。しかし、それだけでなく国内で日頃行われている試合環境の質を上げていくことにより、育成年代の底上げをはかることも同時に行っていく。その中からA代表で日の丸を背負う選手が出てくるはずだ。


<プロフィール>
須藤 茂光(すどう しげみつ)
1956年4月2日生まれ、北海道出身。中央大学在学中に日本代表に初選出され、卒業後は日立製作所でプレー。引退後は指導者の道に進み、JFAナショナルトレセンコーチやU-16日本代表監督などを歴任する。JFAアカデミーコーチを経て、2014年に指導者養成サブダイレクターを担当。2016年からユース育成ダイレクターを務める。


本日の発売の『フットボール批評issue17』では、さらに世代別代表のあり方やJFAの指導・育成方針などについてもふれています。

フットボール批評
【商品名】フットボール批評issue17
【発行】株式会社カンゼン
B5判/160ページ
2017年8月7日発売

⇒サッカーの勝敗は戦術で決まる。超一流の戦術眼
【主な特集内容】
◎ピッチ上の哲学者の「戦術眼」
・遠藤保仁(ガンバ大阪)ロングインタビュー
「代表はずっと日本人監督でやるぐらいの勇気があってもいい」
「相手に合わせるのも大事ですけど、自分たちの武器を持って戦うほうが僕は好きですね」

◎本物の「戦術眼」でサッカーを読む
・乾貴士(SDエイバル)「スペインで最も学んだのはポジショニングの大切さ」
・風間八宏(名古屋グランパス監督)「パサーが見なければいけないのは『敵の一歩』」

◎育成哲学の作り方
・立石敬之・中村忠(FC東京)
「育成大改革」―久保建英を始めとする新たな若手選手育成メソッド―
・須藤茂光・城福浩(JFA)
「日本サッカー」強化論 「水をやり続ける指導者をもっともっと増やし続けていく」

◎ポジションとは何か?
・山村和也(セレッソ大阪)原点回帰 トップ下で輝く理由
・川島永嗣(FCメス)「日本では、GKは“受ける”という発想しかなかった」
・ラウール・ゴンサレス 引退後の人生「今はどこもかしこも時間に追われ、余裕がなくなっている」

◎新連載スタート
・武田砂鉄『スポーツ文化異論』
第一回 試合終了直後のインタビューの意味
・木村浩嗣『スペインフットボールジャーナル』
メッシ、ロナウドよ、そこに愛はあるのか?
・佐藤拓也『西村卓朗のチーム強化論』
第1回「激論」
・中村慎太郎『サッカーをつむぐ人』
第一回 サッカー本の意義


 

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