元日本代表・福西崇史のキャリアから学ぶ。サッカー界で“生き残る術”
2017年08月14日
インタビュー
【元ブラジル代表のドゥンガ。1996年から98年までジュビロ磐田に所属した。】(写真●Getty Images)
闘将ドゥンガの教えとボランチ論
――ボランチにコンバートされたのはいつ頃ですか?
加入して半年くらいの夏でした。
――福西さんといえば、当時おなじポジションにいたドゥンガと“師弟関係”だったというイメージがあるのですが、印象に残っている彼の言葉などありますか?
ドゥンガは、ちょうど僕がトップチームにあがるときに夏の移籍で加入してきました。当時、世界最高のブラジル人が来たということで技術を盗もうと必死でした。
彼がいつも言っていたのは「同じミスはするな」ということ。当たり前のように聞こえますよね。彼はいつも、当たり前のことを当たり前のように言っていました。だから、それができなかったときはかなり怒っていましたね。
――ドゥンガや当時のジュビロの監督だったオフトさんから学んだことは多いかと思いますが、福西さん自身ボランチというポジションに対してはどういった考えをもっていますか。
ボランチは、チームにおける心臓部だと思っています。攻撃にも絡まなきゃいけなしし、守備もしなければならない。ボランチは、必ずボールの近くにポジショニングしなければいけません。広いフィールドの真ん中のポジションですから、重要なポジションだという意識をもってプレーしていました。
――ボランチにコンバートされ、才能を開花させた福西さんは日本代表でも欠かせない存在になります。なかでも、2004年のアジアカップでのご活躍がとても印象に残っているのすが、福西さん自身、あの大会での経験はどう感じていますか。
中国で行われた大会だったのですが、当時の中国の状況というのは、政治とスポーツが切っても切り離せない関係であるということを改めて感じました。また、当時は海外で活躍するメンバーが増えてきているなか、国内組を中心としたメンバーで大会に臨んだことで、いつも以上にモチベーションがありました。決勝の中国戦のゴールは、今でも鮮明に覚えています。会場のブーイングを「黙らせてやろう」と思っていましたから。(笑)
2004年のアジアカップ以外にも、初めて日本代表に選ばれたときから、1999年のコパ・アメリカ参加して、2002年日韓W杯、2006年ドイツW杯など印象深い経験はたくさんあります。
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