コラム

久保建英にとっての「戦い」。自分を見つめ、自分を高める16歳が挑む“2度目”のW杯

2017年10月08日

U-20W杯で味わった悔しさから4ヶ月、再び世界の舞台へ

 だが、改めてU-17W杯を前にして、自分の成長をどのように測っているのか尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。

「正直、あんまり自分が成長したな…というのは考えたことがないので、こういう風に記者さんから『どういうところが成長したの?』って言われて、初めてこの場で考えたりするんです」

 とはいえ16歳。特大のポテンシャルを秘めた若者は、数ヶ月もあれば別人のように変わることもある。久保の場合は、「成長」の捉え方が少し違うようだ。

「どちらかというと自分は足りないところから埋めていこうと。自分の成長を感じるよりも、それ(課題)を埋めることによって、成長を感じるかなと思います」

 久保は事あるごとに、自分のその時の課題を正確に見つめてきた。昨年11月、AC長野パルセイロ戦でJ3デビューを果たした直後には、「スピード」について言及していた。
 
「(J3は)自分がいままでプレーしていたところと全然違って、パススピードだったり展開だったりが早くて、最初は全然ついていけなくて、自分が思っているよりも速いパスがきてあたふたしちゃったり。結構スピードは大切だなと、まだまだ劣っているなと思いました。自分ももっとパススピードだったりドリブルのスピードを上げることで、彼らの持っている速いスピードに対抗できるんじゃないかなと思っています」

 U-20W杯前の今年5月初旬、YBCルヴァンカップの北海道コンサドーレ札幌戦でFC東京のトップチームデビューを飾った後には、「強度」を課題に挙げていた。

「J1とプレミア(高円宮杯U-18プレミアリーグ)では、どうしても体格差だったり、精神的、戦術だったりも含めて、1回のプレスを全力でやった後に、次のプレスをまたかけるのは、J1だと息が続かないっていうわけじゃないですけど、難しいなと」

 それ以前から課題と認識していた「フィジカル」や「パワー」も、最近は目に見えて向上しているように映る。本人はU-20W杯が終わった後から「正直短期間なので、あんまり、そんなに極端な成長はしていない」と謙遜するが、改めて間近で久保の身体を見ると、全体的に分厚く、大きくなったと感じた。彼はピッチの上で現れた課題を一つひとつ丁寧に潰していくことで、よりスケールの大きな完全無欠の選手へと近づこうとしているのかもしれない。

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