中村敬斗が発信する危機感。「このままでは食われる」。“利他のエース”が促す意識改革

2017年10月17日

サッカーエンタメ最前線

ピッチで示した確かな成長。あくまでチームの勝利を目指して…

KOLKATA, INDIA - OCTOBER 14:  Keito Nakamura of Japan controls the ball under pressure from Josue Welepane of New Caledonia during the FIFA U-17 World Cup India 2017 group F match between Japan and New Caledonia at Vivekananda Yuba Bharati Krirangan on October 14, 2017 in Kolkata, India.  (Photo by Jan Kruger - FIFA/FIFA via Getty Images)
【中村敬斗は疲れもありながらニューカレドニア戦でも力尽きるまで闘い続けた】

ピッチで示した確かな成長。あくまでチームの勝利を目指して…

 個人としては現時点でフランスのFWアミン・グイリの5得点に次ぐ4得点を挙げ、得点王争いで単独2位につけている。ニューカレドニア戦でも個人突破から1ゴールを奪ったが、そこに100%の喜びはなかった。中村から利己的な意識は消えていた、いや、そもそもなかった。

「個人タイトルは本当に全然、何も気にしていなくて。チームとして必ず優勝するという目標があって、そのオマケとして個人の結果があると思うので、そんなに自分が自分が…とならずに。(ニューカレドニア戦の)1点目はもちろん自分で仕掛けて、コースが空いていたので撃っただけで、他の部分はクロスでアシストしたりもしたかったので、あまり利己的なプレーばかりしないで、1タッチ、2タッチで崩していきたいと思います」

 ニューカレドニア戦で中村が見せた多少強引にも見える仕掛けや、力尽きるまで闘い続けるファイティングスピリットは、消極的なプレーに終始するチームに「目を覚ませ」と投げかけているようだった。「このままだと食われる」という危機感が生んだプレーだったのかもしれない。

 もちろん個人としての確かな成長も見せている。これまで苦手とされていた左足でのシュートも「左右大差なく蹴れるようになった」と語る通り、ホンジュラス戦で2つのゴールとなって結果に結びついた。

 森山佳監督の指導で「みんなより少し劣っていた」というハードワークも身につけた。「普段自分のチーム(三菱養和SCユース)でやるようにやっていたら、代表には置いていかれる、ついていけない」と痛感し、意識を変えて自らを追い込み、磨きをかけてきた要素でもある。

 もちろん武器であるドリブルやシュートでは「負けたくない」と、研鑽を続けている。それでも中村が追い求めるのはチームの勝利であり、そのためには危機感を言葉にして、周囲に自分の思いを伝えている。

 17日に決勝トーナメント1回戦で対戦するイングランドは、これまでに対戦したホンジュラスやフランス、ニューカレドニアといったどのチームよりも一層強力であることは間違いない。それは日本の選手たちもスタジアムで目の当たりにしただろう。

 中村が発した危機感をチーム全体が受け止め、短い時間で課題を修正し、次なる壁を乗り越えられるか。背中で引っ張る“利他のエース”が日本をベスト8、そしてその先へと導いていく。

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