風間八宏の教えを紐解く。「子どもと大人、上手くなるのに違いはない」

2017年11月16日

コラム

ボールが静止していれば、顔を上げた瞬間にパスが出せる

 ボールを静止させる点に触ればいいだけなので、実は足のどこで触るかは本質的な問題ではありません。ただ、一番安定した点が「親指の下にある、出っ張っている部分」ということです。アウトサイドなら小指の付け根あたりでしょう。

 ピタリとボールを静止させられるようになると、プレーに余裕が生まれます。すぐに動かせる位置にボールがあるので、敵のタックルをかわすことができます。ボールが静止していれば、もうボールを見る必要がないので顔が上がります。それだけ周囲を見る余裕もできる。パスもすぐに出せるしシュートも打てる。そして重要なのは、ボールが「止まる」ことで、チームメイトと「タイミング」を共有できるようになることです。
 
 パスを受けるときに、中盤や前線の選手がまったくフリーということはあまりありません。敵のいない場所に移動したり、敵のマークを外してパスを受けることになります。ところが、せっかくマークを外しても、そのタイミングでパスが来なければすぐに再びマークされてしまいます。つまり、味方がパスを出せるタイミングでマークを外していなければならない。味方がパスを出せる状態でないのに、受け手の都合だけでマークを外してもタイミングは合いません。では、味方がパスを出せるタイミングとはいつなのでしょうか。
 
 ボールを完全にコントロールできていれば、その瞬間に顔は上がりパスを出せる状態であるはずです。だから風間監督は「止める」について細かい注文をつけているわけです。止まっているように見えても、ボールが動いていればパスを出すまでに時間が必要になります。ボールの動きに体を合わせなければならないからです。ボールを静止させた場合との差は1秒かもしれません。しかし、その1秒でタイミングが合うかどうか決まってしまうときもあります。

 受け手がマークを外した瞬間にパスが来ていれば、その瞬間はフリーです。そして受けた選手が正確に止めるなら、次の受け手ともタイミングを合わせることが可能です。単純にいえば、こうしたパスを何本かつなげばシュートできることになります。風間監督の率いるチームがパスをつないで得点できるのは、「止める」技術に優れている選手で構成されているというのが根本的な理由といえるでしょう。

図2

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【商品名】技術解体新書 サッカーの技術を言葉で再定義する
【発行】株式会社カンゼン
【著者】風間八宏・西部謙司
四六判/168ページ
2017年10月23日発売

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