「ジュニア年代から育てるのが育成の基本」。湘南ベルマーレが掲げるクラブの“アイデンティティー”。【短期連載】

2018年03月22日

育成を考える

昨年、サッカーサービス社が『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017』の分析講習会を行った。その中では、日本の指導に対する課題がいくつも挙げられた。実際に大会を振り返っても、FCバルセロナを相手に、日本のチームは何もやれなかった印象しかない。子どもたちがFCバルセロナと戦い、普段どおりにプレーしていたかと問われたら「Yes」とは言えない。だが、自分たちのスタイルをそのままぶつけて真っ向勝負を挑み、「日本のチームもこれだけやれるんだ」という力を見せることができた唯一のチームがあった。それは「湘南ベルマーレスクール選抜」だ。そこで、湘南ベルマーレのアカデミーダイレクターを務める浮嶋敏氏に、同クラブの育成について話を伺った。第3回目のテーマは「才能をどう発掘し、どのような仕組みで育てているのか」。全4回の短期連載としてお届けするので、Jクラブの育成に関する取り組みをぜひご一読ください。

■第1回
「どうサッカーを捉え、指導に落とし込むか」。湘南ベルマーレが体現する“ボールを奪う意識”

■第2回
湘南ベルマーレの「止める蹴る」指導法。意識すべき“3つのタイミング”

取材・文●木之下潤 写真●ジュニサカ編集部、山本浩之


湘南はアイデンティティーが継承されるクラブになりつつある

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――前回、バルサにはサッカーのプレーモデルがあると言われました(第2回参照)。そう考えるとプロクラブの場合はトップチームのサッカーはとても大事なことです。それを含めてクラブのアイデンティティーですが、失礼ながらJクラブはトップの監督が交代すると育成組織のコーチ陣も入れ替わることが多々あり、大切なものが継承されていないように思います。トップとジュニアが深くリンクしていないからクラブとして不安定な経営にもなっていますし、地域にも定着しない原因になっているのかもしれません。

浮嶋「2012年に曺貴裁監督が就任し、私はトップのコーチを務めていました。この年に構築したサッカーを起点に2013年からトップのサッカーをアカデミーでも継承してきました。

 コーチ陣の中でもそれをミッションとして共有し、少しずつですが、選手たちに浸透して根付きつつあります。だから、クラブとしてトップの監督が変わってもいまの湘南スタイルは継承していきます。

 ある意味クラブのアイデンティティーとなる、地域やサポーターと共有しているわかりやすいものは欠かせないものだと思います。結局は子どもたちがそれをスタジアムで目にするから、トップがどういうサッカーをやるのかは大事なことです。

 専門的に見ている人たちは細かい変化に気づきますが、地域の人やサポーターにとっては共有できるわかりやすいスタイルも必要なことなんです。もちろん、サッカーは進化するものなので、少しずつ変化は加えます。ただアイデンティティーの部分、たとえば私たちのクラブで言えば、ゴールに向かうこと、ボールを奪うこと、全員が最後まで走りきることといった部分は変わらず続いていくものだと認識しています。

 わかりやすさはアカデミーの選手たちにも言えることで、トップがそういうプレーをしていればそこが尺度になるので、個人の成長はしやすいと実感しています。そこがサッカーとして明確になればチームとして共有できますし、連携においても早く理解できます。簡単に言えば、チームが機能すれば個人も力を発揮することができ、より伸びていくと思っています。」

――プレーを整理するという意味では、スタイルを悪く捉える必要はありません。大切なのは中身です。実際に、Jクラブでもトップとジュニアに一貫性を感じるチームは出てきています。

浮嶋「柏レイソルさんや東京ヴェルディさんなどはそうだと思います。実際にユースの選手がトップに多く昇格しているクラブはそうですよね。スタイルが明確なら個人も伸びやすいでしょうし、スタイルがなく、みんなが違う方向を見ていると選手の個性も発揮しにくいと思います」

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