「ジュニア年代から育てるのが育成の基本」。湘南ベルマーレが掲げるクラブの“アイデンティティー”。【短期連載】

2018年03月22日

コラム
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アカデミーを再編して地域の才能を育てるように

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――今後はスタイルに関わるところを分厚く深くする作業になると思います。たとえば、トップに毎年どれだけの選手を輩出したいとお考えですか?

浮嶋「毎年2〜3人は昇格できる選手が育つようにしたいと思っています。いまは移籍が頻繁になっているから一つのクラブに止まる選手が少なくなっています。私たちは位置付けとして、トップの3分の1は自前の選手で構成しなければいけないクラブだと考えているので、育成に力を入れています」

――構成しなければならない理由とは?

浮嶋「多くのJリーグのビッククラブは国を代表するような大企業が母体にあります。私たちはそういう形ではなく、個人の方や様々な企業にサポートしていただいています。クラブとして大きな予算があるわけではありませんから、やはり『育成』が軸にならなければなりません」

――そういうふうに育成を考えると、地域の選手たちが主体になります。つまり、地元の優秀な選手たちが地元のプロクラブ、この地区では湘南ベルマーレを目指すということです。

浮嶋「私がダイレクターを務めることになった2013年からアカデミーを再編しました。当時、湘南ベルマーレは神奈川の4つあるJクラブの中で一番低い位置づけでした。年代別代表選手もなくクラブとしての体制も整っていないなどの理由から、地域の育成年代の選手にとって湘南のアカデミーは選択肢に入っていませんでした。

 しかし、湘南は9市11町とたくさんのホームタウンを持っている特徴あるクラブです。そして選手はジュニア年代から育てるのが育成の基本ですし、それがクラブの在り方としてはベースにしなければならないと思っています。

 2013年当時は一般クラスとスーパークラスというスクールだけでジュニアの活動をしていました。スクールは17か所あり、スーパークラスは6か所。スクール生が約1800名いて、スーパークラスには約300名いました。そこで、その上に『強化特待クラス』を作りました。

 イメージはうまい子たちが集まる広場です。いろんな地域にうまい選手が散らばっていますが、普段は自分の所属チームでのみで活動をしているところから、様々なチームのうまい子が集まり、コミュニケーションをとりながらベルマーレのスタイルや個人のスキルアップに重点を置いた活動をしています。また、活動する上で選手は二重での活動となるために保護者の負担とならないようにクラブとして補助をしている側面もあります。」

――なるほど。タレントの発掘、ジュニアからの一貫指導などの面から興味深い取り組みです。

浮嶋「ジュニアサッカーワールドチャレンジに出場した選手たちは、ほとんどが強化特待クラスの子たちで、数人がスクール生の子たち。いまは、その選手たちがジュニアユースに上がっています。

 現在、ユースにはそういう選手たちが昇格していますし、ようやく昨年からトップ昇格する選手が出てきて実を結び始めたところです。下から育成し、トップへ供給するサイクルづくりが5年かけてようやく形になってきたかなと感じているところです」

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