「ドリブル突破禁止」は子どもの羽を切り落とす。バルサ流10歳までの育成哲学とは

2018年04月19日

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7歳~10歳の子どもたちは、まだサッカーを始めたばかりの年齢。この年代の子たちに戦術的なトレーニングを行っても、理解する能力が十分にありません。では、練習の中でどういった要素を取り入れたトレーニングがこの年代には適しているのでしょうか。元FCバルセロナ育成統括コーディネーター、ラウレアーノ・ルイス氏の著書『世界最高のサッカー指導書 バルセロナトレーニングメソッド』から一部抜粋して10歳までの育成哲学を紹介します。

著●ラウレアーノ・ルイス 訳●高司裕也 写真●佐藤博之、ジュニサカ編集部

『世界最高のサッカー指導書 バルセロナトレーニングメソッド』より一部転載


バルセロナ(ドリブル)

「相手を抜くな!」という誤った見解

 多くの育成年代の指導者は、選手たちにドリブルで突破すること(レガテ)を禁止します。驚くべきことに、これは現実として起こっていることです。レガテ(ドリブルで突破すること)を子どもたちに禁止することは、一匹の鳥が空へと羽ばたこうとしているときに、片方の羽を切り落とすのと同じような行為です。

 サッカーにおける子どもたちの羽とは、パスやレガテです。私たちは、味方の足元にボールを届けること、そしてボールを正しくコントロールすることや、正しくドリブルすることを指導します。

 そして、相手がボールを奪いに来る場面では、相手を抜き去るレガテに挑戦させることが大切です。試合の中では、スピードアップしたり、ブレーキをかけたり、リズムを変えたり、ターンしたり、自分の体を思い通りに動かすことが重要です。

 サッカーを学び始める年代の選手たちには、ワンタッチでのプレー、顔をあげてのプレー、両足を使ってのプレーなどは、さほど重要なことではありません。サッカーを始めたばかりの子どもたちには、利き足でプレーすることすら大変です。それにもかかわらず苦手なほうの足でプレーをすることは、子どもたちにとってどれだけ負担になるでしょうか。

 私が伝えたいことは、学び始めたばかりの選手たちを、経験を積んだ選手たちと同様に扱ってはいけないということです。後に、こうしたことを指導する時が必ず来ることでしょう。

 ゲームを多く取り入れる中で、繊細なボールタッチでプレーさせること、サッカーを楽しませながらプレーさせること、プレーの中でロジックについて意識させながらプレーさせることを心がけましょう。

 そのためには、全員をプレーに参加させ、堅苦しい戦術の話は抜きにして、子どもたちが上手にできるシーンが多く現れるようにプレーをさせましょう。

 ベースはすごくシンプルなことです。適度なスペースで、ロンド、ミニゲーム、2対2、3対3、4対4を、ゴールがある状況と無い状況で実施します。基本的な技術を高めるトレーニングとして、ドリブルでコーンの間をジグザグに通り抜けたり、ターンしたり、スピードをあげたり、ストップするトレーニングを行います。

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