攻守両面からの立場でどう突き詰めて考えるか。育成大国ドイツに学ぶ「サッカーの基本原理」

2018年04月26日

育成を考える

サッカーは世界の共通語といわれるスポーツだ。どんな国で生まれ育っても、言葉が通じなくとも、子どもでも、大人でも、そして、どんなレベルでも、一つのボールと2つのゴールがあればゲームとして成り立つ。そこには、サッカーの基本原理が存在するからだ。ドイツでサッカー指導者として活動する中野吉之伴さんはドイツサッカーの基本原理をどのように考察しているのか。『世界王者ドイツの育成メソッドに学ぶ サッカー年代別トレーニングの教科書』から一部抜粋して紹介します。

(著●中野吉之伴 写真●佐藤博之、ジュニサカ編集部、Getty Images)

『世界王者ドイツの育成メソッドに学ぶ サッカー年代別トレーニングの教科書』より一部転載


シュート(バディSC)

日本人は『絶対にゴールをするんだ』という思いが欠けている

「サッカーの目的は何ですか?」と聞かれたら「ゴールを奪い、ゴールを守ること。ポゼッションすることが目的ではない。ゴールすることが大事だ」と答える人は増えたと思う。

 まさにその通り。しかし、このサッカーの基本原理を本質的に捉えて練習している日本人選手はどのぐらいいるだろうか。ドイツの育成指導者が日本の指導者と一緒にゲームをしたとき、GKを交わしているにもかかわらず、自分にパスを出されて衝撃を受けたそうだ。

「ゴールラインにボールを置いて『さあ、どうぞ』みたいにされたんだ。親切のつもりだろうけど、『何をやっているんだ』と思ったよ。ペナルティエリアからペナルティエリアまでの日本人のプレーはすばらしい。技術に裏打ちされたコンビネーションプレーをし、アイデアもある。ただ『絶対にゴールをするんだ』という思いが欠けている」
 
 子どもには「シュートを打て!」と声高にうたうのに、自分がゲームをすると全くシュートを打っていない。また、シュートだけを意識して状況に関係なく、不用意にシュートを狙う。日本人指導者にとって、この問題は根深い。決定力不足を口にする以前に、どれだけ自分がゴールへの意識とアイデアを持っているのかを自問自答する必要があるはずだ。
 
 まず『決定力=ゴールを決める確率』だと考えると、議論すべきは2点ある。

・どこから、どのようにシュートを打つことが有効か
・シュートのとき、どのコースを、どのように狙うべきか

 過去、DFB(ドイツサッカー連盟)はFIFAやUEFAの主要大会を分析し、こう結論付けている。

「ペナルティエリア内からのダイレクトシュートがゴールに一番つながっている」
 
 なかでも、最もゴール数が多いポジションがペナルティスポットとゴールエリアの両角付近だ。このデータを参考にすれば攻撃における具体的な目標は「いかにこのスポットにシュートスペースを作り、タイミングよくボールを運ぶか」ということだ。そう考えると、日本ではこのスポットにボールを運んでのシュート練習が、どのくらいの頻度であるだろうか。  

 もちろん、ミドルシュートも定期的に取り組むべきシュートの一つだ。しかし、『絶対に決めなければならない状況から確実にゴールを決めること』が優先順位の最上位であるべき。簡単だと言われようが、徹底してやらなければならない。
 
 このスポットでのドリブルシュート、サイドからの折り返しをシュート、クサビを受けてターンしてシュート…。ハイスピードでのドリブル、シュート並みのスピードあるパスをダイレクトでゴールに流し込む、そして、DFと競り合いながらその時々の状況で最適なタイミングとスピードで動き出し、かつシュートを決めることが目標でなければならない。
 

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