攻守両面からの立場でどう突き詰めて考えるか。育成大国ドイツに学ぶ「サッカーの基本原理」

2018年04月26日

コラム

HAMBURG, GERMANY - JUNE 23:  Boys from the 9-11 year old age group in action during the (DFB) German Football Association's E-Youth children's soccer tournament on June 23, 2007 in Hamburg, Germany.  (Photo by Martin Rose/Bongarts/Getty Images)

攻撃の練習をするためには守備の整理が必須

 とある練習風景を想像しよう。ミニゲームをやっている。片方のチームがサイドを小気味いいドリブルとリズムカルなパスワークで切り崩し、折り返しから見事なゴールを決めた。
 
 指導者からは「ナイスプレー。その調子だ」という声が飛ぶ。
 
 ちょっと待ってほしい。確かにすばらしいプレーだったが、相手チームの守備はどうだったのか。オーバーラップしてきた相手に対して一人の選手があっさりと釣り出され、パスを出された後も足は止まったままだった。攻撃の選手は自陣に戻るそぶりも見せずに前線に残っていたのに、味方の失点に文句を言っている。これは完全に守備のミスだ。
 
 まず修正すべきは、守備の動きでなければならない。奪いに行く意識が大事だとはいえ、慌てて飛び込んであっさりと交わされたのでは意味がない。攻撃の選手だからと、前線で散歩していていいわけではないのだ。守備の原則を守れていない相手にいくらゴールを決めても、そこからの成長は望めない。つまり、トレーニングの質は攻守両面からのアプローチを同時に行わなければならず、攻撃を伸ばすためにはしっかりと守備ができていなければならない。

 練習でも試合でも、攻撃がうまくいきすぎているときは相手の守備に問題がある。  

 サッカーの局面は、厳密に攻撃と守備を分断することはできない。試合の中での状況を「攻撃」「攻撃から守備への切り替え」「守備」「守備から攻撃への切り替え」という4局面に分けることはできる。
 
 しかし、「ボールを失ったから、守備へ切り替えよう」という意識では遅すぎる。攻撃の段階で、ボールを失う可能性について考えた動きがなければならない。味方がまだ確実にボールキープできてないのに、前方にスペースがあるからと攻め上がるのは典型的なミスだ。
 
 ボールを奪い返されたら、攻め上がったことで相手にカウンターのスペースを与えてしまう。「奪われたらどうなる?」という慎重さと「突破できるかもしれない」という積極性は直感に左右されてはならず、状況を的確に判断するための知識と経験が毎回トレーニングを積み重ねる中で得られなければならない。


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