「どうやって試合経験を積むのか」。この問題は日本サッカー界全体で解決すべき課題である【5月特集】

2018年05月16日

育成を考える

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一つひとつの意味と向き合うことから始めることが重要だ!

 ここから先は前述した1〜6について、筆者の意見を書き綴る。

1.なんで試合経験を積むのでしょうか?

 試合を通さなければ、練習で学んできたことがどのくらいできるのかを知ることができないからだ。と同時に、常に試合に出場していなければ、継続的に行っている練習の成果を確かめることができないから。

 これは自己に対するものだが、もう一つ別角度からの視点も必要だ。

 それは、対戦相手がいなければ試合を実行することができないため、他者への感謝や尊敬の念を学ぶ場にならないからだ。その対象は対戦相手、指導者、保護者、そしてグラウンドを提供してくれている方など様々に向けられると思う。

2.いつ試合経験を積んだらいいのでしょうか?

 この答えは、サッカーに出会った時からだ。試合経験を積むのに年齢は関係ないし、サッカーは試合が一番楽しい。だから、初心者であろうがなかろうが、経験年数や上手い下手など関係ない。さらに、練習では必ず何の縛りもないミニゲームを自由に謳歌することは大事なことだ。

3.誰が試合経験を積んだらいいのでしょうか?

 これは、グラウンドに来ている選手全員である。確かにチーム内で上手い下手があり、プロになれば試合に出場できない選手はいる。しかし、ジュニア年代は育成の場だ。サッカーが好きで試合会場まで来ているのに試合に出場できないのは、一人ひとりが持つサッカーへの情熱という火種を消す行為だ。子どもたちに宿るサッカーへの火種はいつ燃え始めるかも、大きな炎になるかもわからない。しかし、火種がなければ子どもがうまくなるチャンスは0(ゼロ)だ。そこを大人は理解しなければいけない。

4.どういう場で試合経験を積んだらいいのでしょうか?

 この質問の答えは一つだ。公式戦である。全国各地で様々な指導者に取材をすると、最近はほとんどの指導者が「全員に試合経験を積ませている」という。体育とスポーツを混同して捉えている日本社会において、私はすばらしい進歩だと感じている。しかし、そこには大部分に次の条件が付いている。それは「練習試合は全員出場させる。でも、公式戦は実力主義」だということだ。

 このことには、異論を唱えたい。緊張感のない練習試合で学ぶものがどれだけあるのだろうか? 逆に「公式戦の方が学びが大きい」と認めているではないか。ならば、どうして全員を出場させないのだろうか。出場機会は平等に与えるべきだ。ただ出場時間まで縛るのは難しい現実があるから、個人的にはすべての選手に前半か後半かの半分の出場時間を与えるべきだと考えている。さらに少しずつ出場時間を調整していくことが重要だ。

5.どんな試合経験を積んだらいいのでしょうか?

 これは公式戦を含めて全員が試合に出場して「チーム全員で勝敗の責任を負う」ことだ。それは結果として、個々の成長にまで反映することにつながる。練習試合は「あくまで練習試合」と選手も指導者も言い訳ができるが、公式戦は言い訳できない。だからこそ指導者を含むチームに関わる全員が自分の実力を正確に把握できるのだ。

 この経験をチームとして全員で共有することができれば、うまい選手は下手な選手にどんなことをすればいいのか、また自分がどうプレーすれば勝ちにつながるかを考えるキッカケになり、成長の糧とできる。一方で、下手な選手はチームに貢献するためには自分が何ができるのか、どうすべきかと向き合わざるをえなくなり、それまで以上にトレーニングに励まなければならなくなる。と同時に、指導者もさらなる学びが求められる。

 ただし、ここにはいくつかの条件も加わる。例えば、「実力が近い対戦相手」など。次の6にも大きく関わるが、5からは一指導者、一クラブだけではどうすることもできない事情が出てくるのでここで止めたい。その理由は、6を読んでもらえたらわかると思う。

6.どうやって試合経験を積んだらいいのでしょうか?

 これが、今回の議題である。1〜5までは一指導者、一クラブだけでも自分たちにベクトルを向けたら成長につなげられるものだが、6だけはどうにもできない。すでに5の段階でも難しくなっていたが、例えば「JA全農杯チビリンピック」のように本戦と予選のレギュレーションが違ったり、昨年までは東海関西と関東とで出場する学年が異なったりと、出場しているクラブだけではどうすることもできない事態が起こっている。それは日本のジュニア年代なら誰もが目指す全日本少年サッカー大会においても各都道府県で出場チームを決める方法が異なっているのも例外ではない。

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