「ガラスの天才」比嘉厚平。指導者になった今、何をおもうのか

2018年10月12日

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「サッカー選手がやるような手術ではないよ」
 
 2015シーズンはキャリアのなかでもっとも過酷な1年だった。比嘉のなかでは覚悟を決めざるを得なかった。

「サッカー選手がやるような手術ではないよ」
 
 その手術はお年寄りがO脚によって生じる膝の痛みを和らげるためのものだったが、比嘉は医者の説明にすがるように首を縦に振り、再び膝にメスを入れる決断をした。もうサッカーどころではなく、まず日常生活での痛みを和らげるのが先だった。その手術で痛みは治まり、生活に支障のない膝を手に入れることはできたが――。

「一生懸命に考えてくれていたトレーナーやドクターには申し訳ない気持ちでしたが、もう自分が試合に出るとか、出ないとか、そこまでは考えられる状態ではありませんでした」
 
 比嘉はこれまで何度もケガを跳ね返してきた。自分の身体に自信があった。しかし、一つのケガの重大さに気づいたときには手遅れだった。最悪の事態を招いた。

「2009年に靭帯を損傷した当時から、僕の周りにいた先輩たちやトレーナーは散々アドバイスをくれていたんです。僕は話を聞きながらもアイシングと軽いケアだけをして、数々の助言を本当の意味で真剣に受け止めていなかった。それが状況をどんどん悪化させてしまったんです。靭帯損傷というケガはプロであればよく起こり得るケガです。ケガをしたことでよりストイックにリハビリに励み、ケガをする前よりパワーアップして復帰する選手たちは山ほどいます。自分もどこかで気づいて、周りの人たちが指摘する以上に自分自身を管理して、ストイックに筋トレなどに取り組んでいれば、サッカーキャリアを短く終わらせることもなかったかもしれない。2009年にケガをしたときに自分は変われなかった。それが大きなターニングポイントだったと思います」
 
 比嘉は2016年の大晦日、モンテディオ山形を通じて引退を発表した。ケガとの戦いだった8年間の現役生活が終わりを告げた。

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