脳に悪影響? 利き手矯正の弊害

2018年11月24日

コラム

GLASGOW, SCOTLAND - JANUARY 28: Children wave their hands at a private nursery school January 28, 2005 in Glasgow, Scotland. The average price of pre-school care has increased over the past year, sending child care prices to an average of GBP200 in parts of the southeast. Many working parents in the UK have called for pre-school childcare subsidies such as those in France where nearly 100% of three-year-olds are in pre-school education, despite the fact that school attendance is not compulsory until they turn five. (Photo by Christopher Furlong/Getty Images)

本人に動機がない場合の「矯正」はストレスがかかる

 以上の数々の研究結果により、無理な利き手の矯正は成長過程における身体発達や認知能力に影響を及ぼすと考えられます。ただ、そこには、心理的なストレスが伴う点も指摘しておくべきでしょう。大人になってから病気やケガなどで利き手矯正をしなければならない場合は、本人に明らかな動機があります。

 一方、左利きの子どもの矯正は、大人の価値観の押しつけによるものがほとんど。本人に動機がない場合の「矯正」は、かかるストレスが大きくなると考えられます。

 ただ、今回の被験者からの報告では、書字・箸の持ち手以外の利き手すべてを右利きに矯正をした 2 名は、「矯正中にストレスを感じる経験が全くなかった」とありました。心理的ストレスには個人差があり、矯正される子どもの性格・利き手の程度などの個人差が、矯正の完成度・矯正体験への評価に大きく影響することも考えられるでしょう。

 利き手というものは、身体成長の過程で〝決まる〞ものというより、むしろ、最初から脳機能にプログラムされていたものが〝徐々に現れて、はっきりとしてくる〞ものであり、〝直す〞ものではないというのが筆者の見解です。

 利き手は後天性の癖や習慣とは違い、「生まれたときから利き手が左である人」というだけではないでしょうか。このような考え方は、最近広く支持されるようになってきており、左利きを個性のひとつとして認める価値観の広がりは、歓迎すべきものだと思っています。


<プロフィール>
深代千之(ふかしろ せんし)

1955年生まれ。東京大学大学院・総合文化研究科・教授。東京大学大学院・教育学研究科博士課程修了、教育学博士。(一社)日本体育学会会長、日本バイオメカニクス学会会長、国際バイオメカニクス学会元理事。スポーツ動作を力学・生理学の観点から解析し、動作の理解と向上を図るスポーツ科学の第一人者。


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