指導者の「色」がはっきりしないチームはポジショニングも決まらない/倉本和昌×坪井健太郎 対談③【12月特集】

2019年01月11日

育成を考える

VIENNA, AUSTRIA - JUNE 29:  Spanish players pose for a team photograph with the trophy after winning against Germany in the UEFA EURO 2008 Final match between Germany and Spain at Ernst Happel Stadion on June 29, 2008 in Vienna, Austria.  (Photo by Shaun Botterill/Getty Images)
【スペイン代表は「ユーロ2008」の決勝でドイツを破り同大会44年ぶりの優勝を飾った。】

スペイン代表の色が決まったのは2008年の欧州選手権

倉本「2008年のユーロ(欧州選手権)に優勝した時の解説者が新鮮だった。新しいスポーツメディアチャンネルの解説者です。『オレたちはできる』ってスペイン代表を応援し続けていて、その人が『ティキタカ』と言い出した。感情でしゃべるタイプの解説者ですが、みんな楽しんでいて、盛り上がっていた。『お前らはできるぞ、プジョル!』。代表の試合はそういう感じ! でも、それは過去に代表戦が盛り上がらず、注目もされなかったから。国民の代表戦に関心ないし、興味もないから。きっと、それで盛り上げようとしたのだと思います」

坪井「徐々に盛り上がっていって、ベスト4以降はすごかったって」

倉本「すごかったよ。決勝トーナメント一発目にイタリアに勝ったから、みんなが『行ける!』と。過去は大体ここで負けていました」

坪井「相手のGKはブッフォンだったよね?」

倉本「当時、『これは完全にやられる、終わったわ』と思った。ロシアとは予選リーグで当たっていたから、次は大丈夫だって」

――スペイン代表の試合が国内で盛り上がっているイメージはないですけどね。

坪井「最近は変わってきています。やっぱり一回チャンピオンになってから」

倉本「僕がスペインに住んでいた時は全然ですよ。プレーオフの試合を『2枚セットで売るから買ってくれ』的なキャンペーンを行っていました」

坪井「へー、試合はどこ?」

倉本「バレンシアのメスタージャ・スタジアム。相手はノルウェーだった。バルセロナから見に行ったけど、会場はスッカスカだった。2004年のユーロのプレーオフだったかな。2008年にユーロに直前の試合がサンタンデールでアメリカ代表とやった時もそうだった。僕は見に行ったのですが、友達から電話があって話していると『お前、どこに行くんだ?』と聞かれて『サンタンデール』と答えたら代表戦すら知らなかったんです」

坪井「代表の試合があることを知らないんだ?」

倉本「なんで知らないのかがわからない。友人と電話していて『なんでサタンデールまで行くんだ?』と聞かれたから、『スペイン代表の試合を見に行く』と答えたら『オレはスペイン人じゃない』と電話を切られました。彼はバスク人だから。そんな空気のままユーロ(欧州選手権)に優勝しましたから」

――その頃、スペイン代表ってチームプレーとしての意識が高かったのかがわかりません。もともと今のようなサッカーをしていたんですか?

倉本「『クラトロ・フゴーネス』と言われたシウバ、イニエスタ、シャビ、セスクがそろっていました。2008年のユーロで初めてそろったんじゃないかな。この4人がそろったらボールをとられない」

坪井「ジーコジャパンの黄金の中盤と似た感じ?」

――以前は、ホアキンなどサイドにはドリブラーがいたようなイメージです。

倉本「以前のシステムは『4-4-2』または『4-2-3-1』で両サイドがガンガン攻める。それこそホアキンとビセンテが活躍していた時代でした。監督がルイス・アラゴネスに変わって『4-1-4-1』にパッと変えた。『4-4-2』を採用する時はビジャとトーレスの2トップでしたが、基本は中盤の4人が並んで後ろにマルコス・セナが潰し役をしていた。そこからめちゃ強くなった。

『オレたちのスタイルはこれだ』と。

 決定的だったのはラウル・ゴンサレスを外したことです。当時は、大もめしていました。彼は絶対的な存在でしたから。監督はあまりにラウルの質問が多すぎて『二度と記者会見をやらない』とその場で会見を終わらせちゃった。その後もしばらく公式の会見を一切やらなかった。そこまでやって切ったんです」

坪井「当時は日本にいたから、オレは知らない。あの時さ、予選の頃はマルコス・セナってレギュラーじゃなかったよね? トーナメントに入ってから輝き始めたよね」

倉本「みんなの立ち位置がはっきりしたんだよね。セルヒオ・ラモスが高い位置を取る。カプデビラもグッと上がっていて、チーム全員のポジション的な収まりとしてちょうどいいバランスが見つかった。それで対戦相手が捕まえられなくなった」

坪井「でも、ルイス・アラゴネスって戦術的には決め事を明確にするタイプではないよね? 人の掌握系だよね?」

倉本「そう、モチベータータイプ!」

坪井「ピッチ上で選手たちが与えられたラインナップの条件下で答えを見つけ出した感じだね」

倉本「どちらかといえば、デルボスケに近い感じ。彼はもっと温和なタイプだけど。アラゴネスは本当にすごかったから」

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