お父さんコーチ必見! ドイツ人指導者が伝授する子どもが楽しむための環境づくりとは?
2013年10月08日
コラムドイツ・ブンデスリーガの名門、1.FCケルンでも指導経験のある有能な指導者を今回は紹介します。トレーニングの組み立て方やジュニアの育成に対する考え方など参考になる部分があるかもしれません。
文・写真●編集部 取材協力●ファンルーツ
U12年代で大切な指導法とは?
9月中旬、東京都内でドイツ人指導者、クラウス・パブスト氏が、日本人指導者のための指導者研修会を行った。この日集まった日本人指導者のために、U8からU15まで活用できる指導術と、ボールコントロールやパス、ドリブル、シュートといった総合的なスキルを磨くいくつかの練習メニューがレクチャーされた。
さて、クラウス氏とは、どんな人物なのか、少しご紹介したい。1971年生まれのクラウス氏は、大学時代、ケルン体育大学に進学し、スポーツ科学を専攻。その後はサッカー指導者の道を歩み、ドイツ・ブンデスリーガの名門、1.FCケルンのユースコーチや育成部長を務め、ルーカス・ポドルスキー(アーセナル)などの育成にも携わった経歴の持ち主である。そして現在は、同じケルン市内のFC1904ヴィクトリアケルンの育成部長を任されている。
「選手としてはプロフェッショナルなキャリアを持つことができませんでした」と話すクラウス氏ではあるが、プロフェッショナルの指導者の道を歩むうえで、さまざまな勉強をしたという。海外クラブの育成指導法を実際に自分の目で見に行ったり、より多くの指導者向けのサッカー実用書を読みあさったりと、自分の知識に変えていった。とはいえ、それをそのままコピーして、使うのではない。さまざまな要素の中で、自分が一番良いと思った方法に作りあげて、練習に落とし込んでいく。
では実際、育成においてどんな指導が大切だと考えておられるのか。
「一番大事にしているのは楽しくて、子どもにとって居心地の良い雰囲気をつくることです。なぜならどんな人にとっても同じだと思いますが、楽しくて居心地の良い環境であれば、良いパフォーマンスができるからです。例えば自分の仕事を楽しんでいれば、良い仕事ができます。逆に仕事がつまらなければ、ただこなすだけの仕事になるのではないでしょうか。指導者自身も、指導することの楽しさを持てば、子どもたちも必然と楽しくなるのではないでしょうか。
私は技術的に優れた選手を育てたいと思っています。よって若い年齢だとドリブルの練習をたくさんしています。まずはボールに慣れ親しみ、ボール扱いに自信を持たせます。試合でも10回、15回とボールに触っても相手に奪われない。それが最初のステップです。それができるようになると試合で1対1や1対2の状況でも自信を持ってプレーできるようになります。なぜならボールタッチに自信をもっているからです。つまり試合中に常にボールを要求する(欲しがる)ようになります。だからこそまずはボールを自在に操れるような技術力が大事なのです。
その次のステップとして(ドリブルには自信があるので)、1タッチ、2タッチでプレーできるように指導していきます。技術のある選手にそれを要求するのはそんなに難しいことではありません。同様にディフェンスに関してもただボールを蹴りだすのではなく、しっかりと奪うように指導していきます。しかしディフェンスに関してはU11までは深くは指導しません。U12年代ではオフェンスに特化して育成しています」
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】2025.09.08
-
U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!2025.09.08
-
フットサル日本代表メンバー発表!【AFCフットサルアジアカップインドネシア2026予選】2025.09.05
-
U-22日本代表メンバー発表!【AFC U23アジアカップ サウジアラビア 2026予選】2025.09.03
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】
- U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!
- 町クラブから選抜された選手たちがスペインで武者修行!バレンシアやビジャレアルなどと対戦
- 縦割りの練習、危なくない?
- サッカーを心から楽しむ。日本代表・中島翔哉の少年時代
- 岡崎慎司選手がもたらした知られざる経済効果。中学時代を過ごした街クラブに1300万円を生む『連帯貢献金』とは
- 東京都伝統の『TOMAS CUP』で輝いた5人の選手たち!/ジュニサカMIP
- 指導者たちに聞く!現代の環境の中で求められる指導法とは/座談会企画<後編>
- 熱中症対策にオススメ!!手軽にとれる栄養満点の食材とは?
- 「自分を客観視する機会」が成長につながる。子どもに「気づき」を与える指導者のアプローチとは【3月特集】